☆ササメモリアル☆
■オマケ:華桜戦記/先読みの少女(学パロ)■

■夢。それは時に異世界へと繋がる扉を開く鍵である。

ここは異次元に浮かぶ鬼の里。華桜。
”先読み”と呼ばれる予知能力者の麗姫は夢見のその能力を生かし今日も里の夢の世界を覗いていた。

そこに1人の女性が現れる。

「あら・・・・?」

貴方は・・・・”どちらさまでしょう?”この世界に惹かれるように近づいてくる女性は角の無い異国の格好をしていた。
鬼ではない。そんな匂いはしない・・・・まるでこれは・・・・・・「”人間”・・・の方ですか?」
麗姫がそういうとぼんやりと下を見つめながら歩いてきた女性ははっとそちらの方へと目を向ける

その足元には華桜の夢の世界が広がっている。
ココは上空。麗姫は少し先の未来を夢の中から眺めているのである。

「貴方は・・・・・・?」

麗姫がそう言って女性の方を見やると

「もしかして・・・・貴方は麗姫さんですか・・・・!??」
と驚くようにそう言われた。

鬼の里の”先読み”華桜麗姫は何故この方は自分の事を知っているのだろう・・・そう思いながらも

「貴方も”先読み”の能力者なのでしょうか?」どうぞこちらへいらっしゃい。そしてあなたのその姿をよくよく私にお見せください。と笹目の方へと手を差し向ける。

笹目和美。高校生。それが”華桜麗姫”との最初の出会いであった。


その翌日の夢。笹目和美は麗姫に手をとられて夢の中の”華桜”へと降り立つ事になる。
そこは春の暖かさと秋の豊かさが混ざった不思議な世界。

麗姫の話では”本来”の華桜はその暖かさと豊かさの元である”瘴気”が漂う空間で一般の”人間”はソレに当てられ入る事が出来ないと言う。だがここは夢の世界。少し先の未来の見えるその場所で。

少しだけこの世界に彼女を触れさせてあげようと麗姫は思ったのだ。

話を聞けば彼女も自分同様に許婚のような人がおり。だが別に好きな人が居るという。私に良く似た”人間”華桜麗姫という人間を知っており。悪い人では無さそうだったので少しだけ里のそれに触れさせる事にしたのだ。

鬼達の憩いの場。喫茶「きびだんご」の方にいくと見慣れたオレンジ毛の頭が見えた。

「もしかして・・・蘭姫ちゃん・・・・!???」
そういった笹目に麗姫は目を丸くしながらも蘭姫に近寄って行く彼女の方を見つめていた。

そして。「あなたは。だぁれ?」そう返す蘭姫に笹目は「私です・・・・笹目和美です・・・!」とそう言った。
いつも見かける小さな中学生のソレよりも一回り小さい。きちんと結われたツインテールが特徴のそのこ子の名前は確かに「華桜蘭姫」だという。笹目の知っている蘭姫は”早乙女”の姓を名乗っていたが確かに目の前の少女は”蘭姫”そのものである。

そして隣に居る男・・・「あなたは・・・・・?」笹目がそちらに目をやるとそのやりとりをじっっと見ていた白刃が初めて口を開いた「君は・・・・もしかして”人間の・・子”かい?」
そう言った白刃に笹目は「はい・・・・!あちらの世界では蘭姫ちゃんの”友達”をさせていただいてます!」とペコリと頭を下げる。

「へぇ・・・”人間界・・・・”からねぇ・・・・」どこか含み在るその言葉に笹目は少々違和感を感じたが。
目の前の小さな蘭姫が気になって仕方ない。

時は蘭姫達が人魚・・・・・もとい”磯女”のササメを倒してから暫くのこと。それから戒が変なキノコカレーを持ってきて騒動を起こしたその後の世界である。

「へぇ・・・あなた。笹目さんっていうんだ・・・・!」
じゃぁ”めーちゃんだ・・・・!”そう言ってニコニコと隣に座る蘭姫。
それは初めて出会ったときのソレに似ていた。
その隣には麗姫が座っている。その手を笹目の手に重ね何かを探るようにこちらを覗いている。

もちろんそれは麗姫の神通力でどうして彼女が”ここ”に惹かれてやってきたのかを探るつもりであったのだが・・・・・・・

白刃は城の書記官。仕事があるからとまた城へ帰って行った。

そして今度は戒が現れる。

「おーい・・・・・麗姫ー・・・・・・!!!」
それはいつもの生徒会の彼の声と全く同じそのままであった。

「もしかして・・・早乙女・・・・戒さん・・・・?」
笹目がそう言うと戒の手が止まりそこで立ち止まる

”誰だコイツ”という目で見ているが敵意を感じたわけではないようだ
こんななりでも戒と蘭姫は里の守護者。

主君の”麗姫”を護るのが主な彼らの役目である。
その麗姫の隣に座る笹目。それは髪の色が違うこそ先日倒した磯女の風貌に良く似ていた。

人魚だと思っていたが”鬼”の生き血をすする妖怪。・・・確かに風貌は似ていたが戒はそれには敵意を感じなかった。

「麗姫・・・・この子は・・・・・?」
この子。と呼ぶこの世界の戒は22歳。笹目より4つ年上である。麗姫も19歳。笹目より一つ年上で蘭姫は10歳である。
他にもこの里には彼女の見知った顔の人間がたくさん居た。

その仲には”鬼似鷹”に良く似た風貌の男性も居た。
その彼は鳥の姿をした鳥の化身の鬼だという。昔”月城町という人間界のどこかで鬼長。”月代”と共に他の犬。猿の化身の鬼と共に大鬼”血桜”という鬼を倒したらしい。

そしてその”血桜”は麗姫の父親で現在の父。月代の妻である”先読み”の王蘭の連れ子であるらしい・・・・それから蘭姫は角の無い鬼”無等角”という鬼の階級で最高の強さを持つ鬼だと聞いた。

そして3人居る”兄弟”の中で唯一月代と王蘭の血を引いているということも・・・・・

「明日また来ますね。」
笹目がそういうと今日の夢はそこで終わった。
その後夢の内容などは覚えていないがまた眠りに付くと思い出すようにソコへと足を運ぶことになる。

そして他愛も無い会話が続く。
鬼と言う名のその存在と仲良く話をしながら・・・・楽しいひと時を過ごす。


「おーい・・・・そろそろ・・・・家に着くぞー・・・・・・?」

遠くからそんな声が聞こえてきた。


「オイ。乱鬼。そろそろ蘭姫とお嬢さんを起こしてやれ」

「ハーイ・・・・・!!!!!」

目が覚めるとその隣には蘭姫ちゃんが寝ていた。

「あ・・・・・・」笹目は何かを言おうと思ったがそれが何だったか忘れてしまう。

すると蘭姫は「めーちゃんの夢を見たよ・・・」と嬉しそうに何かを語る。

それは”人魚姫の聖地”から帰る車の中での出来事であった・・・・。


■END■

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