☆ササメモリアル☆
■佐伯雉鷹A■

■今日の天気は晴れ。夕刻は綺麗な夕方見えた。
その視線の先に目障りな赤い頭が見えなければ最高の一日になったかもしれない。
佐伯雉鷹だ。

もう書きなれた日記に自分の名前を入れるのが癖になってしまっている。
シナリオを作るときのソレと似ているのかもしれない。

今はその赤頭と同じ旅館の同じ部屋。奴の寝たスキを見計らってこの日記を書いてる。

俺の日記ノートには小さな鍵が付いている。もしあのバカな赤頭がこれを見つけても、読まれることは在るまい・・・・・・・。

今日はその赤頭に笹目が誘拐されたと聞いて驚いて出てきてしまった。そのまま着替えも何も持つことなく財布とメモとその中に一緒に入れていたカバンを持って身一つで旅館に泊まっている。

正直自分がなにをしたいのか良く分からない。
結局のところ。笹目は誘拐ではなくほかの家族との家族旅行のようであった。
何の無垢的で何故この旅館に泊まったのかは分からないが。遠巻きに笹目のテツを見ているとあの少女の事を思い出す。

勇気ある行動だった。・・・・・・・・ヘンテコと生島にあとから言われたが確かに一般の飼い犬を追跡権に選んだのは失敗だった。時間のロスで先に犯人の元に向かうつもりが一番最後になってしまった。

上からその彼女がこなければ狙われた女子生徒たちにも危険が及んでいたかもしれない。
笹目から注意の目を避けるためとはいえ彼女達には少々怖い思いをさせてしまったかもしれない。

が、一番怖かったのでそこで現れたあの小さな勇気ある少女であろう。

生島にあれから彼女は礼拝堂に来ていないと聞いた。
というかかなりの形相で迫られた。俺の心にはまだもう一つひっかかるものがいて。
そして笹目の告白を受けて・・・・・・・・・・・互いにソレが片思いで終わり。

今も笹目を追いかけてここに居る。
その隣に居るのは誰もソレを信じていないが自称:笹目の許婚。
今度はそのやっかいな赤毛が笹目を傷つけることになるのだろうか。

いや。もとより傷つけてばかりいるのは俺の方だ。
あの小さな勇気ある少女。それに笹目。それから笹目を慕っていたのかあの男。
共に笹目救出に動いてくれたあの男。宮代歩。
その全てがぐるぐると頭を巡る中でメールを見た俺はいても経っても居られなかった。

何故あの赤毛が俺のアドレスを知っていたのかはしれないが。
たまにはこんなにぎやかな夜もいいだろう。
1人で本を読んでいると思い出す。生島のあの言葉。

分かってはいたが俺は危険な領域に足を突っ込んでしまったのかもしれない。
この先そのことで神の天罰が落ちることがあるのだろうか。

ソレが皆を悲しみに巻き込む事が無い様にいまはそれを祈ろうと思う。

佐伯雉鷹

[*前へ][次へ#]

44/174ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!