■”人魚姫の聖地”はそれはそれは美しいものであった。 洞窟の中の澄んだ空間。 流石に犬のテツと少々老体のお婆様は入ることが出来なかったがその空間は本当に神秘的な場所であった。 「確かに人魚がいてもおかしくない景色ですわね・・・・・」 麗姫がそう言う それに続いて「ねぇお姉ちゃん・・・・」弟の乱鬼が何か言いたげに寄ってきた 「ここで”人魚姫”・・・して・・・?」 彼もまた彼女の”舞台”DVDを見て”虜”になったようだ・・・・・・・。 そこで・・・・・ 「王子様・・・・・あぁ・・・王子様・・・・この人魚の私は今どんな気持ちで貴方を見つめればいいのでしょう・・・・・・」笹目は即興で演技をした。 「めーちゃん凄ーい・・・!」蘭姫が拍手する。 だが足場の悪いそのつるつるとした鍾乳洞で笹目は足を滑らせた。 「危ない・・・!!!」 戒が急いでそこに駆け寄る。 そこに・・・・ 「笹目和美・・・!!」「笹目・・・!!!」 あとをつけていた男二人と「笹目先輩・・・!!!」カセンが同時に現れる。 笹目は自分でバランスをとろうとしたがをそれに気をとられて体制を崩した。 そして。不慮の事故である。 「「ん・・・・・!??????」」 戒と笹目の唇が重なった。 幸い転んだ場所は割りと広くなだらかな場所で怪我はしなかったが違う意味で”事故”が起こった。 「「・・・・・戒・・・・・」」・・・・そこで固まる麗姫と蘭姫。 そして「「お前・・・!!!」」鳳太と雉鷹の声が重なる。 そこで真っ先に動いたのがカセンだった。 「・・・ちょ・・・あんた・・・!!!!!!!」 すぐに戒をひきはがす。そして笹目を抱き寄せると 「先輩になんてことしてくれんの・・・!!!」 そう言って睨んできた。 「い・・・いや・・・今のは事故だ・・・・俺は助けようと・・・・・!」 戒が相違と同時に肩に誰かの手の重みが乗った。 「責任・・・・取れよ・・・戒・・・・・」 ダイナが妙に大人びた顔でそう言ってきたのである。 「せ・・・・責任って・・・・俺は・・・・//!!!」 ”カセン”が好きなんだが・・・・!!!!!!そう思った瞬間、笹目が口を開いた。 「スミマセン・・・私には他に好きな人がいるんです・・・・・///」 そう言って恥ずかしそうに手で口を押さえる。 初々しいながらにも我慢するその姿に戒は妙な切なさを覚えた。 「我慢しなくていいんだからな・・・・・・」 泣いてもいいんだぞ・・・・・・? そう言いたかったが事故を起こしたのは自分である。 とりあえず・・・「これで・・・拭いてくれ」 戒はハンカチを渡すと必至に謝った その帰り。 「カセン・・・俺と・・・・一緒に電車で帰らないか・・・・」 皆それぞれもとの車で帰ろうとした時だった。 「な・・・何でよ・・・・///!!!」 カセンがそういうと戒は彼女の手をとった。 「俺は・・・・・・・・・」 ”俺が好きなのは・・・・・”そう言おうとしたが何故かダイナに止められた。 「そういうことは後で電車で二人っきりになってからにしな?」 ダイナがそういったのでカセンは戒の手を離すと「嫌だ・・!」といってダイナのほうの車に乗り込んだ。 そして「笹目先輩に近づく虫は一人で電車で帰りなさい//!!!」 とカセンに怒られた・・・・・。 そうか・・・・戒が1人で駅に向かおうとすると。「同行しよう・・・・」 雉鷹が何故か付いてきた。 そしてその帰りの電車で戒は雉鷹の説教攻めにあったという・・・・・・・・・・ 「人魚姫の聖地・・・素敵でしたね・・・蘭姫ちゃん・・・・・」 笹目は少し恥ずかしげに口元を押さえながらそう言った。 どうやらファーストのようだったらしい。だが前よりそういった行為に対する抵抗はなくなったような気がする・・・・・・・・・・・・ ”こんな・・・・感じ・・・・なんだ・・・・・//”愛しい人を思い浮かべて笹目は静かに目を閉じた。 「そうだね・・・・」その隣で蘭姫もまた思い日との事を想う。 自分にはまだそういった行為や感情は早いけど。・・・・・ 帰り際”大好きな”白刃先生にお土産を買った。それは人魚の形をした小さなキーホルダー・・・・ ”先生・・・受け取ってくれるかな・・・・・”そう思いながら二人は眠りに付く。 疲れていたのだろう。その天使のような寝顔を見ながら他の面々も癒されるのであった。 ■END■ --- ※この後笹目はあゆくんにお土産のお守りを渡して・・・・そして拒絶され気味になるのであった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |