☆ササメモリアル☆
■追跡:サイドKB(学パロ)■

■「わぁ・・・広い露天風呂ですね・・・・・・・!」
そう言って喜ぶ笹目の足には痛々しい古傷が見えていた。

それを無言で見つめる麗姫。そこに「めーちゃん・・あっち・・あっちの奥の方に行こう・・・・!!!」
気にしては居ないのかそのフリなのか蘭姫が笹目を奥へと誘う。

そこに「んだんだわだすもじゃぁつかっぺや・・・」笹目の祖母も一緒に入る。
テツも専用の浴槽がそばについていたのでそこに入れる事になった。

そして男子チームもまた別の露天風呂に入る。
「なぁ戒・・・・」

「なんだよ・・・・・・兄貴・・・・」
実の兄ではないが親戚という事で彼を兄と呼ぶ戒。
「お前・・・・・今回のメンバーの中で誰が一番可愛いと想う?」
ダイナにニヤニヤとそういわれた戒はいきなり噴出した

「何の話だよ!!!!!」本気でそう想った。自分の思い人は”カセン”である。いや”カセン”だと思いたい。

「いやいや戒くん」改まるダイナ
「せっかくの親睦も兼ねたこの旅行だぞ。男女の仲も深まったって良くは無いか・・・・・・?」
さらにニヤニヤと見つめるダイナ。

「・・・・いや・・・俺は・・・・・・・////」

”俺は”カセン”が好きだから・・・・!!”
ソレを言うべきかどうかで迷った・・・・しかし・・・・・・・・

「兄貴は・・・・さっきの舞台DVD見てどう思った・・・・?」

「あ・・・・・・?」

「いや。最後・・・さ。”あの子”笹目の足はメイクとかじゃないよな・・・・」

その古傷の残る足をさらしたそのシーン・・・・彼は少しソレを痛々しく思った。
話を聞けば彼女は誘拐未遂で一度舞台上から消えたらしい・・・その後のラストシーン・・・・・・
聞いた話によればそのラストの舞台内容はアドリブで行われたという。

「・・・・・・・」それを見つめるダイナ。
その彼にも背中に少々大きめの傷がある。
だが戒はそれは気にはしない・・・でも

笹目は”女の子”である。自分から見れば”護る対象”の1人である。
今回の旅行は今のところ何も無いがもしそれで彼女に何かあった場合は自分はどうしたらいいのかと少し悩んだ。
その行為が・・・逆に彼女を傷つける事になるのだろうか。

今まで隠していたソレを曝け出し”素顔”の自分を見せてくれたのかもしれないそのシーン・・・・・・・・・
感動とともにその事情を麗姫から聞きその舞台の日は彼女の事を思って泣いた。

そんな事情がありながらも堂々と最後まで舞台を演じた彼は本当に”凄い人”だと思う。
けれども彼女は”只の女の子”だ。・・・・もう少しその弱さを表に出してもいいのではないかと思ってしまう。・・・・”カセン”のように。・・・・・”護ってあげたい”そんな気持ちが心によぎる。

「なぁ戒・・・・」
ダイナが何かを言おうとする。

「お前は・・・・・・・・・・」
”少し背負いすぎなんじゃないのか?”
ダイナにそういわれた。
「背負いすぎ・・・・・・?」
戒がそう見つめ返すと
「自分の感情は・・・押し殺さなくてもいいんだぞ」

そういわれた。
ダイナは思う戒もそうだがもう1人の麗姫もそんな感じだと。
そしていつも周りばかり気にして自分をないがしろにする。
せめて”恋”くらいはもっと自由に・・素直になってもいいんじゃないかと。


だからのお前の父親は・・・・・
ダイナは戒の父親が麗姫との”婚約”を望んでいることを知っている。
それは付き合いの古い幼馴染の親だからこそ望む感情なのかもしれない。

だが戒の好きな人も麗姫の想い人もダイナは知っていた。

麗姫のソレが自分であることも・・・・・。
「なぁ戒・・・」

ダイナは言った
「そんなわけで・・・・・”夜這いに行ってきてもいいか?”」
あまりにもナチュラルにそういわれたので戒は「え・・うん・・」と答えそうになった・・・・・・が途中でそれに気がついて「ヤメロ場馬鹿兄貴・・・!!!!!」
と突っ込んだ・・・・・


そして「ヤメロこの馬鹿男が・・・近づくな・・・・・!!!!」
雉鷹もまた部屋に設置された露天風呂で一緒に入ろうとする鳳太に迷惑だと主張していた。
「いいじゃねぇかよ・・!!!!裸の付き合いだ・・・!腹を割って話そうぜ・・・!!」

そう言って入ろうとしてくる鳳太。正直言ってたまったものじゃない。湯が汚れる。
そんなことを想ったがこの差別的な考え方も”彼女”から居場所を奪ったその原因だったかもしれない・・・・・・・”ヘンテコ”と知り合いに言われ今の自分がヘンテコかどうか客観的に考える。


・・・・出した答えは”ヘンテコ”だった。

「悪いが先に上がらせてもらう・・・・!!!」
雉鷹はそう言って足早に部屋へと戻る。

と・・・・目の前に散らばっている笹目の隠し撮り写真を見つけた。

鳳太が布団の上にばら撒いていた奴だ・・・


・・・・・・・
「何に使う気だ・・・何に・・・!!!!!!!」雉鷹は一瞬下品な事を考えたがそんな自分を悔いたくなった・・・・

「主よ・・・・心乱れる今の自分をお許しください・・・・・・・」
そう言って手先を動かしお祈りをすると雉鷹は布団に散らばったそれを綺麗にたたみ込む。
そしてなぜか気が付いた・・・・・・・・

「何故布団がぴったり隣同士くっついてるんだ・・・・・・・・」
頭が痛くなりそうだった・・・この旅館の従業員は何を考えているんだ・・・・・・・・・・・・・・

本当に心が乱れる今の現状に彼は具合が悪くなりそうになった。

「本当に・・・ついてくるんじゃなかった・・・・・・・・」
そう思いながら彼は隣の休憩室の方へと入ってった。布団の幅の方はきっちり直し食事の準備を待つことにしたのである


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