■いつかは”アイツ”に謝らなければと思っていた・・・・・。 ”礼拝堂”の近くの石垣で見かけたあの一件。 あの男には少々申し訳ない事をしたと思う。 笹目の事もそうだ。奥底にあった”淡い気持ち”がそうさせた。 雉鷹は自分の利き手でその胸元をぎゅっと掴む・・・・・・ ”悪い事を・・・したな・・・” この詫びは。次の”演目”講演会で返させて貰う。 雉鷹はそう思いながら笹目の書いたシナリオに目を落とす。 実に彼女らしい純粋な”最後”だと思う。 それを構成させているのは”あの男”も含めた”彼女”の周りの世界なのだと思う。 梨々花に叩かれて改めて己の小ささを知った気がする。 「まだまだ俺は視野が狭いな・・・・」 そう思いながら雉鷹はそのノートに口付けた。 この奥底の淡い気持ちを伝えるつもりは・・・・”無い”・・・・・・。 [*前へ][次へ#] [戻る] |