■”パァン!!!” ・・・・・盛大な音が聞こえたのはその出来事の翌日の事である。 笹目が部活を休んだ翌日。その翌日の朝の演劇部の朝練で。事は起こった。 「昨日の。礼拝堂の一件・・・近くで見てたんだけど。部長は笹目ちゃんのこと。何だと思ってるわけ?」 ・・・・・リリちゃん。事、黒川梨々花ちゃんが、”部長の頬”を叩いたのだ。 「・・・・・・黒川・・・・・・」 叩かれた頬に手を寄せながら目を伏せる部長。 「俺は・・・・」 そう言い始めた部長に、昨日の一件から元気を取り戻した笹目は「何も聞きたくありません!!!!!!!////」とっさにそう答えたが。その後にリリちゃんが 「笹目ちゃんはあんたの事が好きなんだよ!!!!!何で何も考えずそういう事が言える訳・・・!!!!???????」 言ってしまった。・・・・・・・今まで私がひたむきに”隠していた”物を・・・・・。 でも・・・・・・・。 「・・・・っ・・・!????」 部長の目が大きく見開いた。 随分と驚いたらしい。やはり”部長”はそれには気づいては居ないようだった。 でも・・・・・・・・・ 「部長が好きなのは・・・・・」 ” ”ですよね・・・・・? 笹目はそう言ってしまいそうになったが梨々花に口を塞がれた。 「見損なったよ、部長!いくらカトリック科は他の科と違うからってそんな差別的な目で笹目ちゃんと後輩をいぢめるなんて・・・!!!!」 はぁはぁと肩で息をしながら語るリリちゃん。いつものいたずらっ子の彼女らしくない。 「笹目ちゃんと・・・・それから昨日のあの子に謝って・・・!!!!」 そう言って”ギッ”と。部長を睨みつけるリリちゃんに、部長はすまなそうに目を伏せると。 「すまなかった。笹目・・・」 と、いつもの低い、舞台でのナレーションのような落ち着いた安定のある声でそう言われた。 部長。”その言葉”は聞きたくありません・・・・・”私は”貴方への思いを捨てきれないけれども・・・・・・もう”諦めよう”と思っているのだから・・・・・・・・。 ”新しい道を選び始めた”笹目はそこで困ってしまった。 ”いつもの”あの部長が随分小さく見える。”私は・・・・” ”なんでこの人のことを好きだったのだろう・・・・・・・” 不思議とそんな思いが出た。・・・・何故だろう・・・”今日”の自分はいつもと違う。 「笹目ちゃんの”人魚姫”、王子が”部長で”私はずっと。二人が上手くいくように、祈ってたんだよ・・・!!!!」 リリちゃんが泣きそうになりながらそういい始めた。 「梨・・・・・リリちゃん・・・・!!!」 思わず笹目はソレを抱きしめる。 「”リリちゃん私・・・・・・/////!」 ”貴方が・・・・・好き・・・・・・!!!” 改めて笹目は”梨々花”の事が大好きだと思った。 そして・・・・・・ 「”部長・・・・・!提案が・・・・・あります・・・・・!!!」 私の”人魚姫”・・・・・・・・・・・その公演のラストを・・・・・”私らしく”変えてください・・・・・!!!!!! 笹目はそう提案した。 その”公演”のラストはどうなるか分からないが・・・・・・・・・・・・・・ 王子を愛したはずの人魚は・・・・”自分の足でまた新しい道を”歩み始めるだろう・・・・・・・・。 そんな”予感”が、その場を走った・・・・。 ■END■ [*前へ][次へ#] [戻る] |