■「”日本”に来たいならうちの”高校”にくるといい。君は”許婚”の前でいい格好したいだろう。”優等生”として待遇してやろう。それから・・・・」 ”生徒会”にも入れるようかけあってあげよう。 先日初めて出会った男”荻野厳武(げんぶ)”にそう言われて。俺、”神風鳳太(かみかぜおうた)”は華桜高校にやってきた。 笹目和美(ささめなごみ)。・・・近くの他校に通う親の決めた許婚に会うためだ。 ”桜聖学院高等学校”・・・本来はソコに転入したかったのだが年も三年。編入試験も色々と決まりごとがあり大変みたいなようなので仕方なく俺は華桜校に来た ”生徒会”に入れば桜聖学院の色々なコンサートや公演会に来賓として呼ばれることもあるという。 当の笹目和美も演劇部に所属しているというから”次の公演”に主役として出るだろう。 ・・・・・・俺は日本からわざわざそういった高校の情報が書いてある雑誌を多々集めた。 その中で見つけた桜聖学院の記事の1枚。 笹目和美が大きく写っていた。 ソレを見て俺はすぐ恋に落ちた。 ”可愛い・・・・”それが。俺の許婚だということだ。これは会わずにはいられない。 そんなわけで・・・・・「今日から生徒会に入る事になった。神風鳳太だ。宜しく頼む」 生徒会室に挨拶に行くと一番遠くに居た眼鏡の女にいきなり「役不足です!!!」 そういわれた。 何だ。この女。どういう意味だ。そう考えている間に青い髪のショートカットの女が俺に説明をする。 どうやら俺に”役不足”だと言った女は”生徒会長”華桜麗姫(うるひめ)と言うらしい。 何が役不足だ。・・・そこそこ可愛い顔をしているが俺は笹目和美にしか興味が無い。 生徒会にも彼女の前でいい格好をするために入っただけだ。行事予定まで関るつもりは無い。 だが。俺はいきなりその生徒会で”書記”の業務につけられた。 面倒臭い。全部英語で書いてやろうか。嫌がらせにそう思ったが”会計”の青毛のショートが「あなたも厳武様の息のかかった人間なんだからしっかりしなさい!」そう耳打ちして去って行った。 ”息のかかかった人間・・・?どういうことだ?” 俺にはそれは良く分からなかったが後日その意味を知る事になる。 どうやらここの生徒会は校長の荻野厳武とはあまり仲が良くないようだ。 それでも生徒会長が理事長の娘という事で校内ではかなりの権力をもっているらしい。 俺はそんな面倒臭いところに入学してしまったらしい。 早く”笹目和美”に会いたい・・・・・・。 ■END■ [*前へ][次へ#] [戻る] |