■「カセン・・・!」 ■†THE UNLIMITED 萩原 カセン Upart† ■ 「ん?何。司郎?」 幹部達が船の先端での”作戦会議”が終わった後。 ”のんびり”船の”大浴場を独り占めして”湯上りの”ほんのり”温まった肩に手を触れ呼び止められた。 流石に”女同士”とはいえど”リミッター”を外して”大浴場”に入るのも ”綺麗な体”で何も知らず”育って来た”皆それなりに事情はあれど”自分とは違う”他の”メンバー達”と湯を共にするのはまだ少し気が引けていた。 今まではずっと”部屋”のシャワーと小さなバスタブを使っていたが”少しずつ”変わって来た”自分の思いに勇気を出して ”今日”は初めて”大浴場”に使ったのだ。 ”初めて”の大きなお風呂、しかも自分”一人きり”それはとても気持ちが良かった。 その中で”後で司郎も誘いたいな”・・・・・ふと考えてしまった自分に少し赤くなりながら、湯から上がって気分良くソコを出た後だった。 触れられて少し”ドキツ”と感じたが”少しずつ”それも”慣れてきた”あの日、あの後から又何度も体を重ねて深く愛し合った。 ソレが”本物”か”偽者”かは”分からないけど”何時まで続くか分からないその関係に”今だけでも酔いしれたい”満足したい自分に”酔って”暫くその”悦”に浸っていた。 「他のメンバーが紛争地域への進出で船の警備が手薄になっているのは知っているよな?」 ソレ、は”なんとなく”分かってたけど。 というか”切子姉さんに”お前も一緒に来るか?”戦うの好きなんだろ?などとやじられたり マッスルにも”じゃ、船の警備は任せたわよ?”なんて冗談を言われたりもした。 九具津さんにいたっては”代わりにコレを持っていきます!!!!”何故か自分そっくりの人形を眼前に向けられた。 ”とりあえず・・・・知っている・・・・。” 「うん・・・。それは・・・・まぁ・・・知ってるけど・・・・」 ”何かあれば”自分の居場所”くらいは自分で守ろうといつも”銃”は携帯していたが・・・・” 「そうか。なら。”話が早い”。・・・3日後”新型ECM”の強奪が決定した。」 ”その間俺の部下を数名お前に預ける。” 「手薄になった”船の警備”を”お前に任せてもいいか?”」 真木はそう言って”一度は手放した”鉛球の入ったソレを”ずしり”と”二つ”私の手に乗せてきた。 「え・・・・?・・・ちょ・・・”司郎・・・”・・・・コレは・・・!???」 ”日本”で”使うには危険すぎるって・・・・!??” そういって数週前に棚にしまって鍵をかけていた”懐かしい”自分のソレ。 ”自分の手に馴染んだ”ソレを”もう一度”手渡された。 「念のためだ。・・・・”今”船には”主力”として”戦える”のは”俺たち”以外には”パティ”や”子供達”しかいないんだ。」 ”それに” 「”リミッターを外した際に”お前を、”守れる存在も”俺以外にはいないだろう?」 何かあったとき”対処”できなくなったら困る。 ”念のため”こっちの銃も装備しておけ。 そういってもう一つ 「・・・・あ・・・・。」 更に懐かしいソレを手渡された。 ”ずっとずっと昔のソレ。” 戦火に”身をおいていた頃の”血と興奮と”嫌な思い出”と手に馴染んだ”もう一つの私の武器” 「仕込み・・・・”グローブ・・・・”・・・」 片手には”袖に仕込んだ紐を引くを”6連の毒針が”高速”で飛び出す仕掛け。 もう片側には繋いだ金属爪から”仕込んだ”ピアノ線”により”接近戦”での戦闘”暗殺道具” 簡易の”ECM”を胸に着けて”感応系”のエスパーをやみに隠れて”殺していた頃の明らかな”暗殺道具”” 「ちょ・・・・なんで今更そんなもの・・・・?」 ”日本(”ココ”)に来て。少しずつ”自分の汚れた過去が綺麗になっていくような開放感を少なからず感じていた” ”やっと”血にまみれた”自分の過去に”終焉”を迎えられると思っていたのに・・・・” 「何で・・・・・”今更・・・・・?”」 ”戦闘狂の”私”に戻って欲しいの・・・・・・?” それは”つまり・・・” もう”自分達の関係は・・・・” ”終わりが来たって・・・・こと・・・・?” 私はまた”只の殺人兵器”として”人の心を殺して生きろ”と ”コレは別れの宣告だろうか?” 「分かった・・・・。」 感情を押し殺して。”涙”の出そうな”気持ちを”殺して冷たい目線でうつむいた。 ”つまり、もうお別れって事なんだ・・・” もう”司郎”とも”司郎”の”部屋”とも・・・・ ”それなりに特別な存在”自分がそう”仕向けた”それも”今日でソレが終わるんだ” うつむいてそのまま振り返って”どこへ向かえばいいのか”分からない”自室”へ向かおうとした。 ”司郎の部屋以外に行き先が無い”暫くは”アンディ”か”葉”の部屋にでも”泊めて貰おうか”と思った。 なんとなく”紅葉姉”の部屋は”考えられなかった”もしかしたら”この先”司郎と紅葉姉が次に”そうなる”場合もあるかもしれない。 なんなら”体の一つや二つ家賃に預けても良かった”忘れさせてくれるなら ”一瞬でも幸せに感じた”ソレ”を忘れさせてくれるなら”” 「それと・・・・カセン・・・・!」 「え?」 考え事の最中に”話を続けられ”つい顔を上げてしまった。 瞬間”涙が零れ落ちた”我慢していた”はずの”ソレが”不意に気が緩み”流れてしまった。 「・・・・なんで”泣いているんだ。お前は。」 ”そんなに怖い思いをさせたか?” そういっていきなり”司郎に抱き寄せられた” ここは他にも”人”がいてもおかしくない”船内の目だった廊下” 「ちょ・・・司郎・・・・あの・・・・・!//」 流石に驚いて赤くなった。 「安心しろ。カセン。他の奴らはどうせ皆パティのところだ。”少佐”も”お一人”になりたいらしい」 他の奴らは大概寝てるし”煩い”奴らも今は居ない。 「・・・それと。もう一つ”お前”に言いたい事があったんだ。」 「え?」 「”連絡係”には”アイツを使え”。”テレパス”の”新入り”だが。直接お前の言葉や意思を口や態度で話すより”効果”は覿面だろう。」 ”尚更お前の口から零れ落ちるソレに”俺の部下が”落ちでもしたら後々締め上げるのも面倒だ” ため息を付きながら”司郎”がそう言った。 ”あぁ・・・そういえばそんな奴もいたんだった・・・・・。” 割と小心者で”ビクビク”しながら船に来ても慣れずにずっと付いてくる”テレパス男” 名前は”佐伯”と言うらしい。”家族もいるしノーマルの妹もいる”けどソレを捨てて”この船に来て”面倒見がいいのか”子供達”の世話を”ザコ”なりに頑張っている。 時々”ザコ”ッぽく他の”パシリ”にされてたりするから”なんとなく”庇ってやっては”逆”にこっちが色目使われては相手が”司郎に絞められる”そういえばそんな”面倒”くさい”昼間”をここ数日過ごしてたんだった。 「・・・・忘れてた・・・・。」 「お前な・・・・・」 ”司郎”は”ため息”を付きながら”密着していた”互いの体に少しだけ抱き寄せた腕の力を抜き距離をとると。今度は涙を拭くように頬に手を寄せてソレをぬぐった。 「”お前のことは”俺なりに”誰よりも信用しているつもりなんだ”」 ”今回”の”任務”には”お前は連れていけないが”その間”船のことは任せてもいいよな? そういってぬぐった指についた水滴を”司郎”はそのまま口に含んだ。 自分の”指”を舐め取るだけ。なのに”自分から流れたソレ”を口に含まれてなんだか恥ずかしくてたまらなくなった。 「ちょ・・・・司郎・・・・・///!!!」 恥ずかしくて越えに出した瞬間にあいた口に口付けられた。 そのまま舌を絡め取られてゆっくりと長い口付けを交わされる。 「・・・頼んだぞ。」 そう言って、司郎はその場を後にした。 その後最後に 「部屋で待ってる・・・・・//」 と少し”恥ずかしそう”に小さな声を上げて消えていった。 「・・・・あ・・・・//」 カセンもまた頬を赤らめて”頷いた”頼られてるって”事なんだ” でも”コレ”を”必要とするほどの”敵って?” ”バベル”の”特務エスパーら”が”敵”ならこんな”卑劣”な”武器”を渡しはしないと思う。 只”私自身”昔とは”違って”只”言われるまま”にソレを”使っていた”頃とは違う”相手”と”使い時”は選びたいと思う。 ”念のため携帯しておけ”つまり”新しく装備している”この”銃”も使えという事だ。 ”時と場所”を”選んで”私が”それを決めていいんだ”尚更”妙に嬉しく思えた” ”司郎”の”部下”を”与えられて”多数の”部下”を持っていた”軍人時代”の”自分の地位”を取り戻したようで。 なんとなく嬉しく思えた”今度は絶対裏切らせない”殺しもしない ”船も司郎の部下も皆。私が守るから・・・・・” ”血に染まった懐かしいソレを手にして頬を寄せた。” そして気づいた、”どうやら”コレはあの頃の”ソレ”に似せて”細工が”施した上での”新品のようだ。 ”リミッター”とは別に”小型のECCM”と”ECM”の”発動スイッチが付いている”血の臭いを感じない。 それでも”P.A.N.D.R.A"仕様の”新しい”武器。しかも”生地”は多分コレ・・・・ ”司郎の繊維だ・・・・” 硬い・・・・”頑丈な布地”あの頃よりもずっと”進化”して”使い勝手”が良さそうに磨き上げられた”線”と細工の付いた金属爪。 ”今の自分の”服に合わせた”デザイン”にさっきまでは”同様して”気が付かなかった。 ”まだ。私は・・・・傍に居ていいんだ” ココにも”司郎にも。嬉しくて”ソレ”に口付けた。 ■NEXT■ |