お昼寝



ママンの手作りお弁当をペロリ



お腹も一杯



眠気も一杯…





『ごめん、午後サボるね〜』


友達にさらっと告げていつもの場所へ


階段を上ってドアを開けたら

雲ひとつない真っ青な空



『くぁ〜…』


おっきなあくびをして


特等席の
優しい日が当たる壁際へ…


『あれ?』



そこには先客が

無防備な顔して寝てた



『ん〜?どっかで…』


黒い髪
がっしりとは言わないまでも
筋肉の付いた体
優しそうな口元


力なく垂れた手の傍のメガネ


『…木暮君?』


うわーうわー!!

メガネはずすと可愛い系だ!
初めて見たよ
うんうん、なかなかカッコいいじゃないか


前にしゃがんでじっと見てたけど


目が覚めたときに気まずいので
とりあえず少し間を開けて隣に座った


(木暮君がこんなトコで寝てるなんてめずらしいな)


しばらくそのままぼんやり眺めていたら
カランコロンとチャイムが鳴った


『わわっ!起きちゃうじゃん!!』


早く鳴り止まないかとナゼかドキドキしながら
様子を伺う


彼は少し顔をしかめただけで


『…起きなかった』



ほっと胸をなでおろした


(あれ?あたしなんで起こさないんだろ?)


だって、授業始まっちゃうよ?
木暮君、大学受けるんだよね?

こんなところで寝てたらまずいじゃん


ってかなんでこんなところで寝てるんだろう?



『そうか、IH終ったんだ』


疲れてるのかな?
こんなにぐっすり寝ちゃってさ…




そのときなんだか急に
彼のことを知りたくなって


二人の間にあった隙間を埋めた



(知りたいっても、木暮君寝てるしなー)


なんだか眠る気にもなれなくてぽやーんとしていたら


肩に重みを感じてびっくりした


『こ、木暮く…ん?!』

顔だけ向けると
まだまだ眠りから目覚める気配はなくて



(…う〜顔か熱い!!絶対赤面してる)



なんか緊張しちゃうよ


「ん…」


でも
少し頭が揺れたときに
ふあっと香った優しい香りと

肩にもたれかかる彼の体温が
気持ちよくて


『や…ばい』


そのまま私も眠りの世界へ







「ちょっと、名前ちゃん!」

『…ん』


遠くから聞こえるのは友達の声

ゆっくり目を開けると
少し心配そうな友達がいて


『ん〜おはよー…?』


自分の肩にかかってた重みが消えてて
その代わりに

自分に掛けられた少し大きな学ラン



香るのはあの優しい香り




彼のことが知りたいと思った私
判ったことは


自分は今
彼に恋をしている
という事





end




オマケ





その日は部活に顔を出しているって
残ってた友達に聞いて


急いで体育館に行った



『木暮君っ!!』


見つけた後姿に声を掛ける


「苗字?どうした?」

『あの、これ…』

手に持っていた学ランを返す



「あぁ、わざわざもって来てくれたのか…
起こせなくてゴメン。ちょっと急いでてさ…
って言うか、重かっただろ?」


顔を少し赤くしながら言うもんだから
あたしもどきっとして



「あー!木暮サン、彼女っすか?」

「あン?木暮に女が尋ねてきたのか?!」



ってみんなが冷やかすから
木暮君は焦って

「ちょ、みんなやめろって!!////」





『…彼女になる予定です!』




真上に手を上げて宣言してやった



木暮君がとてもびっくりしてたけど
撤回するつもりないもんね!


end



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