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にゃんにゃんにゃんの日


「…」
「…で?古泉くん、それは一体何なのかな?」
「猫耳です」
「うん、見ればわかるな。どうして俺がそれを着けなきゃいけないんだ?」
「僕が可愛らしいあなたを見たいからです!」

…あ、今俺の中のどこかからブチッて音がした。

「〜〜っ!さっきから聞いてりゃふざけた事をつらつらと並べやがって!どうして俺が猫耳なんぞつけにゃならん!!」
「ふざけてませんよ!今日は2月22日ですよ!猫の日ですよ!」
「知った事か!!だったらお前が着けてりゃいいだろうが!」
「嫌ですよ!僕が着けたってギャグにもならないじゃないですか!あなた、そんな僕の姿見たいんですか?!」
「お前の言葉、そっくりそのまま釘バットで打ち返してやるわあぁぁぁっ!!!」

かれこれ、古泉宅でそんな押し問答を続けて数時間…。…もう俺帰っていいかな。
日本人って本当にぞろ目とか好きだな、とは朝のニュースの特集で思ったりしたさ。
だが実際こんなに近くに気にする奴がいるとは思わなかったがな!…まあ、こいつの場合は私欲が9割なんだろうな。ちくしょうめ。
「…わかった、そんなに着けて欲しかったら俺を納得させる答えを100文字以内で述べろ。そうしたら考えてやらん事もない」
「…は、はいっ!」
盛大なため息交じりの俺の言葉にキラキラとした笑顔を浮かべた古泉は、俺の事や猫耳についてそれはもう歯が浮くようなゾワゾワする台詞を流暢に語っていった。
何か聞いている身としては、恥ずかしいというより鳥肌が立つんだが。勿論、ドン引きの意味で。特記したくもないね。
ずっと話しているが、100文字超えてるだろ。はぁ、…何か疲れた。
「ですから、」
「…ああもう、わかったよ。そんなにお前は俺の間抜けな姿を見たいんだな」
古泉の手からカチューシャ型のもこもことしたそれを奪い取り、頭に装着してやった。
…何やってんだ俺は。
あれだ、ただ古泉の演説を聞きたくないだけであって、別に深い意味は一切無いからな!
自ら手を出したとはいえ、何だかいたたまれなくて古泉をチラリと盗み見ると、奴は頬を染めてぼんやりとこっちを見ているのだった。
「…これで満足か?」
「は…、はいっ!可愛らしいです!想像以上です!!」
「…そ、そうか」
こんなにも自分の意見を話す古泉も珍しいからな。こんなので満足したのなら良かったよ。…やれやれ。






なんて、ちょっと変わった平日だったなと終わる訳も無く、どこで外れたのかリミッターが消失した古泉に無理やり付き合わされた事は言うまでも無い。

…言わんからな、絶対言わんからな!!





ぬこの日って某所で気づいて急いで書き上げました。間に合った!
本当ならここはぬこキョン書くべきでしょうね、ははは。ギャグ楽しいー!


平成22年2月22日





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