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平常心なんて知らない。
*エンドレスエイト。
古→←(?)キョンです。




「ほらっ!いくわよー!!」

えらく混雑した市民プールの中で、俺達はハルヒが何故か意気投合した小学生と水中サッカー…。…どんなシュールな光景だ。
ハルヒ達はそんなのお構いなしかのように楽しんでいるみたいだが。
…まあ、俺は妹のお守りで慣れているからな。

「いやあ、こういったの久しぶりですよ」
古泉ですら楽しいのか、笑顔を浮かべながらそんな事を言っていた。

……まあ、いいか。たまにはこんなのも。
さてビーチボールの行方は、と辺りに目を向けた時だった。
「ちょっ…、キョン!後ろ!!」
ハルヒが急に叫んで、何だ?と顔を向けた瞬間、俺の目の前にはオレンジ色のビーチボールが。

ビニール製のくせに顔面に物凄い衝撃が走り、その後の事は記憶が無い。
ただ、日差しが反射した水面と誰かの必死な顔だけは見た気がする…。





「…ん…?」
何か唇に感触を覚えて瞼を開けると、今度は目の前にあの爽やかハンサムの顔があった。だから、お前近いって!!
「これは失礼致しました。どこか痛む所はありますか?」
「いや…」
…別段痛い所は無いんだが、…何だかモヤモヤするというか…。
体を起こすとプールから少し離れた木陰で寝かされていたようで、辺りは少し静かだった。
「俺…?」
「ビーチボールが当たって軽い脳震盪を起こしたようですよ?」
「マジか…」
どんだけ全力で投げたんだ、ハルヒの奴…。
ふと周りを見渡すと、女子達だけいない。
「…なあ、ここにいたのお前だけか?」
「…そうですよ?」
……だったら、あの感触って…?
古泉、と話しかけようとした瞬間、奴はすっくと立ち上がってしまった。
「涼宮さん達にあなたが目を覚ました事伝えてきますね」
そして、いつものような嘘臭い笑顔と共にその場を後にする。
「お、おいっ!?」
…何だよあいつ…?!

…ちょっと待てよ。何でそんな平然としてんだ…?
だって、あれって。

未だに感覚が覚えている箇所を指で触れると、次第に顔に火が灯っていくのが解る。

「…ああもうっ!」

頼むから誰か夢だったと言ってくれ!!
俺はしばらく夏の暑さとはまた違う火照りを感じていた。




だって、信じられる訳ないだろう?

古泉が俺にキスしていたなんて。





古泉は恥ずかしさで逃げました(笑)



2009 8/20


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