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あの空より先は、!
*社長×秘書パロディ



地上52階。
そこから見る景色はとても壮大なものだ。
多くの人は世界を手に入れたような気分になるなど言うが、俺からすると自分がひどくちっぽけな存在である事を思い知らされる気がしてならない。同時に孤独感にも襲われる気がする。
それなのに、どうして俺はここにいるのだろうか。
…あの人はどう感じているのだろうか。



「それで、明日のスケジュールは…?」
「あっ、明日…は、っ午ぜ、んに会議が…っ、や…ぁっ!!」
「…聞こえませんよ。もっとはっきり話してください…?」
「ひぁっ!う、ごかな…でっ!んああっ!!」

まだ最近建設されたばかりの高層ビル。
そこは最近急成長した会社の持ちビルで、他のビルに類を見ないくらい立派な建物だった。
そこの最上階のワンフロアは社長室と秘書室があり、そこからこの会社の全てが成り立っている。
その会社の若社長、古泉一樹。彼は富、社交性、実力、名誉など統治者にあるべき全てを持っているような男だった。

俺はそんな人の元で秘書をさせてもらっている。
初めこそまぐれで面接に受かり、ごく下っ端の部署に配置されたはずなのだが、何故か連れてこられた先はここだった。
爽やかな笑顔に出迎えられ、こんな右も左もわからないやつを何故、と思いながらも憧れと尊敬の眼差しで見ていた彼と共に仕事をしていった。


「…ほら、続きを」
「ぁっ、…よ、夜、には会食が、あ、ひ…あっ!」
今晩も得意先のレセプションパーティーに参加し、会社に戻り明日の打ち合わせをするはずだったのだが…。
戻って来るなり、社長に衣服を全て脱ぐよう指示され、革張りの椅子の上に座った社長の更に上に背を向けて座るように言われた。
おそるおそる腰を下ろそうとすると、尻たぶを掴まれ、手早く後孔を慣らされ、一気に貫かれた。
そして、このまま打ち合わせをすると明日のスケジュールを激しい律動の中読まされていた。
「うああっ!!…や…ぁっ、も、ゆるして…くだ、さ…っ」
「最近忙しくて中々お相手できなかったでしょう?時間を有効に使えていいじゃないですか」
「よくな…っ、やあっ、あっん!」
口答えをしたからか、わざと前立腺を狙うように攻めてくる。
重力のせいで的確に当たってしまい、今すぐにでも俺の限界値を突破してしまいそうだ。

「やあぁっ!も、う、やらあぁっ…!」
「…嫌?今日のパーティーであんなに物欲しそうな顔をしていたのに?」
「そ、…な、してま、せ…っ」
力が入らないせいで弱々しいながらも首を振ると、耳元でクスリと笑う声が聞こえた。
「…それとも、向こうの社長を狙ってらしたんですか?随分気に入られていたようですが…」
「ちが…っ」
「今度からここにバイブでも仕込んでいきましょうか。あなたに言い寄った男性はどうするでしょうね…」
「やあぁぁ…っ!!」
更に深く突き刺され、ずっとかぶりを振り続けていると床に汗か涙かもわからない雫が流れ落ちる。
「冗談ですよ…」
そう囁かれると顎のラインをなぞられ、上を向かされ、社長の顔が、唇が近付いてくる。

そんな時だった。突然、部屋中に電子音が響き渡る。
携帯の着信音のようで、普段反射的に対応するせいか、思わず体がビクリと震えた。
「失礼」
音の出どころは社長の携帯のようで、胸ポケットから取り出すと、はい、と返事をして電話に出ていた。
「ああ…、あなたですか。お久しぶりです」
近いせいか時々漏れてくる相手の声は、澄んだ可愛らしい女性のもので。

全てが完璧な社長はやはり女性にもとてもモテる。
相手は社長令嬢や一流芸能人など、誘われる先は引く手も数多で。
しかし、この会社の軌道が乗っている最中のゴシップなど以ての外だ。
食事までは一緒にできたとしても、その先まで…とはなかなか進めないようで。
…だから、俺がこうして彼の性欲の相手にさせられている。
誘われるがままに此処まで来てしまった。
所詮俺は処理だけのために呼ばれたのかな、といつからかこの関係にも慣れてしまった自分がいた。


社長は決して俺の中から出ていこうともせず話をしている。時折、声に吐息が混ざっている気がする。
俺は相手に気付かれないよう、口元を手で覆った。

「…え?今ですか?…最近運動不足でしてね、軽く汗を流していた所です…」
そう言った瞬間、突然下から突き上げるように腰を動かされた。
「ぁっ!…、…っ、…っ!!」
思わず大声を上げそうになり、とっさにギュッと手を押し付ける力を強めた。
しかし、相手はその言葉を信じたようでスムーズに会話が繋がっていく。
社長はというと、軽く揺すりながら俺に刺激を与えてくる。
このままじゃマズいだろう、と思いチラリと振り返ると、社長はこんな状態にもかかわらず話ながら優しそうな笑顔を浮かべていて。
胸の疼きを覚えながら視線を元に戻した。
頭の中がグルグルと回っているようで気持ち悪い。
彼は誰に対してもあんな風に笑顔を浮かべる…。
…嫌だなんて絶対に言えない。
俺だけに笑ってほしい。俺だけを見ていてほしい…。

気づいたら、体の震えと嗚咽が止まらなくなっていた。



何時までそうしていただろうか、後ろでパタンと携帯が閉じる音が聞こえたと思ったら、体に手が回された。
「…どうして泣いているんですか?」
「す、みま…せっ」
なかなか止まらない嗚咽を無理やりにも押し込めていると、頭をそっと撫でられる感触がした。
「大丈夫ですよ。僕はあなただけを愛していますから」
そう言って、俺に口付けを落としてくれた。
…果たして、その言葉を送ったのは何人目なんだろうか。

「さて邪魔が入りましたが、続き…しましょうか」
「は…い」

繰り返される律動の中、俺はそっと涙を流して、好きです、と呟いた。




人ははるか昔から天に焦がれ近付こうとする。
しかしいくら手を伸ばして足掻こうとも、決して掴むことはできない。
目に見える夢か幻か…。

それでも、手を伸ばす。いつか手に入ると信じて。


どこかで聞いた神話のように、天に近付きすぎていつか羽を失ってしまうかもしれない。

それでも、俺は…。



なあ、俺は、幸せ?





急に書きたくなったパロ。
キョンは完璧すぎる古泉に対して信じたいけど信じられないでいます。古泉はS気味だけどキョンに対して愛はあります。女性達と付き合ってるのは仕事のためです。(酷いな)
あと、建物の高さは適当ですw


2009 5/22


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あきゅろす。
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