nocheの小説
TOV ユリフレ☆←寝ているフレンに…。キスのみ。若干シリアス気味。
『…でな、…で…』
『…、…リ?、』
『…リ、……ユーリ!!』
『……、え?』
『え?じゃない!!話聞いてたのか??』
『あ、き、聞いてなかった』
『まったく、最近変だぞユーリ』
『ああ…ごめん…』
この所俺は、
いまだかつて抱いたことのない熱い感情に戸惑っている。
小さい頃からフレンは目の離せない危なっかしい奴で
俺が必ず守るんだっていつも側で見守ってた。
一緒に勉強したり風呂に入ったりと日常生活を共にし、誰よりもフレンの一番の心許せる親友だった。
だけど。
『…、寝ちゃったか…』
勇猛果敢で騎士の檻と知られる親友の寝顔は、母親に抱かれて安心しきって眠っている赤ん坊のように安らかだ。
『…睫毛ながー…』
くりん、と上に向いている絹糸のような長い睫毛は、規則的な呼吸と共にかすかに上下し、灯りに照らされてキラキラと光輝いている。
―なあフレン。
俺たちって親友だよな。
間違いなく男と男で
熱い感情なんて抱くはずなんてないのに。
フレンの裸が見たいとか
ぎゅうっと力いっぱい抱き締めたいとか
真っ赤に染まった顔が見たいだとか
一緒にいるだけでいっぱいいっぱいで
その純粋な笑顔を自分だけのものにしたくて
悩んで。 悩んで。
『お前なら…』
フレン。
『お前なら…、許してくれるよな…??』
フレン。
すき
唇に触れる柔らかな感触は、思っていたよりもずっと心地よかった。
このまま食べてやりたいなとぼんやりと考えてしまう。
それは生理的な表現でもあり、抽象的な表現でもあり。
弾力のある桃色の唇からは息が漏れ、優しく鼻をかすめてゆく。
目覚めればお前はまた逃げてしまう。
だからいまだけ。
まだ覚めないで。
end
[次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!