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失恋、来る!




今日も今日とて並中へ訪問中。
いつものように応接室へ遊びに行き、いつものように雲雀の手伝いをし、いつものように雲雀と学校内を見回りしてみたらいつもはない人集りがあった。




「何あれ、群れすぎ。」
「人がいっぱいらねー。」



何やら女子生徒二人と数人の男子生徒がもめていて出来た人集りらしい。
そこの中心を見ればこの前知り合ったばかりの、




「きょーこ姉たんらー。」
「ああ、笹川京子だね。」




嬉しさあまり笑顔で京子に抱きつく。



「あ、伊織ちゃん。こんにちは。」
「こんちゃー。」
「な、京子!そいつは妹か!?」
「い、いえ。伊織ちゃんは友達で…。」
「ふん!ガキがこんなとこに来るな!行くぞ京子!」
「や…、いや!」



子供の直感か、昼ドラの見過ぎか、瞬時に理解した。
この男はムリヤリ京子を連れ去ろうとしている、と。




「きょーこ姉たんイヤゆってるの!人のイヤがる事したらメーなの!」
「なにを〜。生意気な!」



癪に触ったのか男は伊織の頬を思い切り叩いた。
その瞬間、京子の目がスっと細められた。




「あ、あんた子供にまで!」
「持田先輩。」
「京子?」




ドゴォ!
京子の拳が見事持田の顔面にクリーンヒットしその衝撃で持田は数メートル飛んでしまった。




「に・ど・と、その不快な面見せないでくれませんか?」


その黒い笑みを間近で見た持田はただ頷く事しか出来なかった。



「伊織ちゃん、ありがとうね。」
「きょーこ姉たーん!」
「泣かずにえらいね。はい、クッキー。」
「あいがとー。」



笑顔で伊織を撫でる京子を見て並中生徒はみな、『笹川京子だけは怒らせないようにしよう。もし怒ったら幼女を出そう。』と暗黙のルールが出来た。

一方その頃、トンファーを構えていた雲雀は、笹川京子の変わりように驚き出番が遅れていた。




「………剣道部は廃部間近まで追い込むとしよう。」



恋心を折られた持田に対する慈悲なのか。
廃部ではなく間近までにした。反省するかどうかは、持田次第だが。




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あきゅろす。
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