家庭教師、来る! 「伊織ちゃん。今日はベビーシッターの先生が来るわよ。」 「べびしったー?」 舌ったらずに返した子供に母、奈々は満足気に笑い教えた。 「ほら見てこのチラシ。『お子さんを次世代のニューリーダーに育てます。年齢・学歴問わず。 リボーン』ね?素敵でしょ?」 「あい!」 「ふふ。じゃあ幼稚園に行ってらっしゃい。」 「行ってまーす!」 多分…、この家にはツッコミはいないだろう。 いるのは天然溢れる母の奈々。 そしてその奈々の天然を受け継いだ幼女、伊織だけ。 奈々がどんなに天然をかましても「あい!」で済ますのが伊織なのだ。 そんな沢田家を遠くから見ていたリボーンは「確かに年齢問わずと書いたがまさか幼女とは……。」と零していた。 「それじゃあ、伊織ちゃん。さようなら!」 「てんてー、さよーならー!」 昼になりA制度の幼稚園児が帰って行く。 奈々に言われたベビーシッターの先生が気になるのか、その足取りは軽い。 「ママ、ただいまー。」 「おかえり。さ、手を洗ってらっしゃい。」 「あい!」 いつも幼稚園でやるようにジャバジャバと石鹸で手を洗う。 「ほう。2歳にしてはうまいもんだな。」 「うぁ?」 後ろを振り向けば、なんと黒ずくめの赤ん坊が佇んでいる。 その赤ん坊を見て一言、 「友達らー。」 「ちげーぞ。俺はリボーン。お前のかてきょーだ。」 「あい!沢田伊織れす!」 そこにヒョッコリ、奈々登場。 「あら?伊織ちゃん、お友達?」 「あい!」 「ちげーぞ。俺は(以下略」 そんなリボーンを奈々は「お昼ご飯どーぞ。」と言ってリビングを行った。 「(本当に大丈夫か…?)」 「ごはーん。」 リボーンは不安を拭えないでいた。 どうなる家庭教師! [次へ#] |