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入江正一、来る!




ベンチに座りはぁ、とため息を一つこぼす少年、入江正一は先程の出来事を思い出していた。

いきなり爆発音が聞こえたかと思ったら、小さな子供が家の中にいた。いや、正確には倒れていた、だ。
そこから奇妙な出来事の連発。
インターホンが鳴り出れば外人さん。
そして変な木箱を渡され中には札束と爆弾らしきもの。(姉はオモチャだと言ってたがどう見ても手榴弾だ。)
お詫び詰め合わせの中に入れる品ではないものが普通に入っていた。
そして子供のポケットには住所と名前が書かれた紙が入っていた。
さわだ りぼーん。まるっきり外国人だ。
そして書かれた住所に行き…。





「はぁ…。」




もう、思い出すのはやめよう。
虚しくなってくるし若干、胃も痛い。




「おにーたん、どーしたの?」
「え…?」




声に振り返れば小さな女の子。
あれ、この子、リボーンさん宅の、




「伊織…ちゃん?」
「おにーたん、伊織の事知ってりゅの?」
「え、まぁ…。」




てかさっき会ったばかりなんだけどなぁ、と独り言ちる正一。




「伊織もおにーたん知ってゆ!!」
「え…?」
「リボてんてーとお話ししてたおにーたん!」
「見てた、の?」
「うん!」




今日会ったあの中で誰が自分を見てたのか。
ビアンキは最初だけ、あとは形振り構わず銃を発砲。
リボーンも話したのは最初だけであとはランボを攻撃。
ランボに至っては正一がおんぶしてたなんて気付いていないだろう。
そんな中で、この女の子だけが自分をちゃんと見ていたのだ。
なんだか少し胃が良くなって来た。




「はぁ〜〜〜。」



一気に力が抜け、空を見上げる。
夕焼けが見事に綺麗だ。




「おにーたん、疲れてるの?」
「ハハ…。そうだね。ちょっと疲れたかも…。」




今日1日でありえない事を沢山体験した。
そんな中で疲れない方が無理だ。




「これあげゆ!」
「チョコ…?」
「疲れた時は甘いのが一番ってママが言ってた!」




にぱっと花の咲いたような笑顔。
きっとこの子の両親はこの子を大切に育ててるんだろうな。





「ありがと、伊織ちゃん。元気出てきたよ。」
「あい!」


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それでも夜は悪夢にうなされます。
本読んで、正ちゃんかわいそうだな、と。

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