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FUNNY COKE 桝田様より相互記念で頂いた泉×阿小説 1/4



(今日は、雨かもしれない。)

まだ明けきらない薄闇の中、俺は1人、土手の草の上に寝転んでいた。
時間が時間だから、まだ辺りに人の気配は無い。


特別早起きした訳じゃない。最近はいつもこんな調子。深い眠りにつけないでいる。
ただでさえ毎日部活で身体を駆使しているのに、睡眠を取らずに快適に過ごせる筈も無い。とにかくイライラして、感情のコントロールが上手く出来ない。

せめて一時でも、と。

この場所で空が明けて行くのを、眺めるようになった。


『時間と時間の狭間が好きなんだ。』


俺に、多大な影響を与える唯一の人間、この不眠の原因、アイツの科白。
ロマンチストだな、なんて思いながら、聞いていたっけ。


(またアイツのこと考えちった。忘れ、たいのに。)



忘れると決めて、アイツを避けるようになってまだ、数日。

情けない程、俺の身体も心も、アイツで支配されてる。こんな風に思い知らされるなんて。

どうせ俺だけなんだろ?って、思うのは、女々しいことかな。日々、アイツの為に強くなろうと邁進していた筈、なのに。結局俺は、アイツに縋っていただけだったのか。


東の方から、淡い青が徐々に黒を追い立てる。グラデーション。


夕方より朝の方が好きだ、って言ったアイツ。光を連れてくるから、と。俺が、夜の方が良い、休めるからって言ったら、笑ってた。バランス取れてるな、って。俺たちは“対”だと、笑ってた。2人で1つ。1日を作る、昼と、夜。
んじゃずっと追いかけっこじゃん、つまんね、とガキ臭く拗ねる俺。




『ばかだな、ちゃんと溶け合う時間があるだろ。』



朝と夕の境目。ほら、2回も。

そう言って、優しい、触れるだけのようなキスを、二度。
もの足ンね、と抱き寄せれば、欲張りだな、泉は。と抱きしめてくる。






そりゃさ、不安要素はいっぱい有るから。






特に、あの武蔵野の投手。ヤツの影は、とてもつもなく、大きかった。




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あきゅろす。
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