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700三七ひと様(浜×泉)


[15cmの距離]


「なー、浜田ってさ、背ーデケェよな!何センチあんの!?」

練習後の部室。
いつもと同じ練習量をこなし、ダウンも済ませたオレたちは各々帰り支度をしていた。
そんな中、着替えもロクにしないで、田島がいきなり切り出した。

「え、オレ?183だけど?」

浜田が答える。
ちなみに浜田がいるのも最近ではいつものことで、単にオレを待っている。

「マジ!?花井よりでけぇー!」

オレはそんな会話を交わす二人を横目で見ながら着替えを進めていた。

オレと浜田の身長差は15センチ。

昔から一緒にいるけど、この身長差はいつまで経っても縮まない。

向かい合えばどうやったってオレが浜田を見上げる形になっちまうし、それが少し気に入らなかった。

なんとなく浜田より下な気がして。

だから歩く時もなるべく浜田より半歩前を歩く。

…いつもなら。

着替えを済ませメンバーと別れ、浜田と二人の帰り道。

今日はオレと浜田が付き合い出した記念日で。

オレは毎年、ぜってー忘れなかった。
浜田も去年まではちゃんと覚えてて、二人でケーキ食ったりしてお祝いしてたのに。

今年は。

朝からずっと一緒にいんのに、何も言ってこねぇ。

…もしかしてマジで忘れてるとか?

…こンのバカ浜田!!

あと3時間くらいで今日が終わっちまうのに。

無性にイライラして、オレは浜田より3歩前を歩いていた。

「いーずみー?」

「………んだよ。」

「何怒ってんの?」

後ろからふわっと抱き竦められる。

「別に怒ってねぇ!触んなバカ浜田。」

「いずみ〜〜…今日、記念日だし、オレんち来るだろ?」

それはとても唐突な言葉で。

…コイツ、覚えてんじゃねーかよ…。

「覚えてたのかよ。」

「ひどっ!オレが忘れるワケねーだろ〜?泉との大事な日なんだからさ!」

「バーカ!」

でも言葉とは裏腹に、オレの心のイライラなんか一瞬でどっかにすっ飛んじまって。
フワフワ空に浮いてる雲みたいな気持ちに変わってた。

(…オレって、もしかしてすっげー単純?)

それが少し悔しくて。でもやっぱり嬉しさの方が断然勝っていた。

オレは浜田の手をとって、半歩前を歩いた。

「浜田ぁ!肉食いたい!肉!」

「おー。じゃ、唐揚げでもすっか!」

「あとアイスとケーキも」

「買ってあるよ。ケーキは手作り!」

そして手を繋いだまま浜田の家に行って、唐揚げを始め、どっかのパーティーみたいなご馳走食って、アイスとケーキ食って、珍しく二人で一緒に風呂に入った


いつもなら(恥ずかしいから)ぜってー入ってやらねーけど、今日だけは特別。

狭い浴槽に二人で入ると、自然と浜田に包まれて、足の上に座る形になる。

オレと浜田は座高の高さも全然違う。15センチってやっぱ差あんだな。
…つーかマジで狭ぇ。

動けないのをいいことに、浜田はベタベタしてきて。
そのままおでこ、瞼、頬、唇にキスを落とされる。
だんだん激しくなるキスに合わせて、頬は蒸気し、呼吸が乱れる。
…抵抗はしねーけど。

「泉。マジ好き…。これから先もずっと、一緒にいてくれな?」

囁く様に耳元で言われた言葉に、頭がボーっとして酔いそうになる。

「まーいいけど!…浜田。」

「ん?」

「…好きだ……」

それは、水音に飲まれてしまいそうな程に小さな声。

こんな特別な日くらいは、優しくしてやってもいーだろ?

泉孝介、15歳の主張。

15センチの距離を、今日はとても愛しく思った。
近すぎず遠すぎず、二人には丁度いい。

お互いを愛しいと再認識した。
そんな愛しい記念日。

これからもずっと。この愛しい距離を保って、オマエと一緒にやっていこう。



あとがき(仝ω仝)
キリ番700を踏んでくださった三七ひと様に捧げます!
訪問ありがとうございました!
浜泉で設定はお任せということで、記念日話にしてみました!
二人の長〜い歴史は奥が深いorz←
なんという拙い表現力orz
こんな駄文でよろしければお受け取りください!勿論、返品可でございます!
※こちらは三七ひと様のみ、お持ち帰りOKです。
これからもよろしくお願い致しますっm(_ _)m





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