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*SOS団
あたしが鍵
*キョンside

俺は苗字と朝比奈さんのやりとりを目の端でとらえながら古泉に苗字が何者なのか、と言う疑問を視線で送るが、
「僕にはさっぱり……」
と言いたげな表情を浮かべながら左右に首を振った。

ハルヒは用事があるらしく解散を告げると風のように走り去った。


『朝会ったよね。』

苗字が長門の前で前屈みになり聞いている。その顔はまるでスイートピーそのものであった。

「長門有希」

長門はミリ単位で頷くと今にも消えてしまいそうな声で呟いた。

『有希ちゃんマンション隣同士なんだね。一緒に帰ってもいいかな』

「有希でいい」

また頷くと言葉を返した。その柔らかなやり取りを邪魔する奴がいた。

「長門さん、苗字さんはやはり普通でしょうか?」

古泉の問いかけに頷き、苗字の目を吸い込むかのように見つめた。

「名前は涼宮ハルヒにとって二つめの鍵。名前と涼宮ハルヒ、そして……」

そこまで言い終わると視線を俺に移し、言葉を続けた。

「あなたがすべての可能性を握っている」

「要するに苗字は俺と同じ一般庶民ということか?」

長門が頷いたのを確認し、苗字の方へ目を向けると目をまるくして固まっていた。

*

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