*SOS団 出会った時間 *主人公side 有希の視線が眼鏡を通してあたしとキョンくんを見つめる。 五分ほど話しただろうか。 「…で、だ。三年後のお前はこんなものを俺にくれたんだ」 キョンくんが取り出した短冊三年後の有希がくれたものだ。三年前の有希はそれを瞬き一つせずに眺めて、バーコードを読み取るかのように指を這わせた。 「理解した」 簡単にうなずいて、あたしたちを見つめた。流石だね、情報統合思念体というからにはやはり情報が得意なのかな。 キョンくんは額に手を当てて考える素振りを見せ、 「俺はとっくに長門と知り合っていたわけだが、三年前…今日のお前…つまり今のお前だ。お前は俺たちと出会うのは今日が初めてなんだよな」 そっか、じゃあ今が初めましてになるんだ…ややこしい。 有希は眼鏡の端を光らせて答えた。 平然かつ淡々と。 「そう」 「それでその…」 「異時間同位体の当該メモリへアクセス許可申請。時間連結平面帯の可逆性越境情報をダウンロードした」 ……と三点リーダーが口から吹き出る。異時間と言われた時点でついていけなくなった。 「現時点から三年後の時間平面上に存在する『わたし』と、現時点にいるこの『わたし』は同一人物」 * [*前へ][次へ#] [戻る] |