*SOS団
ハルヒの好奇心
*キョンside
ジェスチャー付きで喋った苗字に、
「そうね、あんたいいこと言うじゃない」
ハルヒが横にやってきて、白線引きを奪い取った。微調整のように線を加えながら、
「ねえ、あんた。宇宙人、いると思う?」
苗字に視線を向けるとチューリップスマイルでこくんと頷いた。
「いるんじゃねーの」
長門の顔を思い浮かべる。
「じゃあ、未来人は?」
「まあ、いてもおかしくはないな」
今は俺自身が未来人だ。もちろん苗字もな。
「超能力者なら?」
「配り歩くほどいるだろうよ」
エセスマイル古泉が脳裏をよぎる。
「異世界人は?」
「それはまだ知り合ってないな」
「ふーん」
ハルヒは白線引きをがしゃんと投げ出すと、ところどころを粉にまみれさせた顔を肩口で拭って、
「ま、いっか」
もしや、ヘタなことを言ってしまったのではないだろうか。
『大丈夫だって!』
俺だけに聞こえる声で安心させた苗字は、ハンカチを取り出せばハルヒを自分の元へ抱き寄せ、顔に付いている粉を拭いた。ハルヒは恥ずかしながらも苗字のされるがままだった。
いつもこんだけ大人しいといいんだが。
*
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