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*SOS団
中身は変わらない
*主人公side

「決まってるじゃないの。不法侵入よ」

堂々と犯罪行為を宣言したハルヒにあたしは口を中途半端に開けたままだった。

「ちょうどいいわ。誰だか知らないけどヒマなら手伝いなさいよ。でないと通報するわよ」

通報はとっても困ります。こんな恰好ですよ。明らか不審者だよ。
ハルヒは、ぴょんと鉄扉の内側に飛び降りて鍵を片手に南京錠を開けた。

「なんでお前が鍵を持ってるんだ?」

「隙を見て盗み出したの。ちょろいもんだわ」

流石ハルヒ……って、ここは褒めるとこじゃないね。
ハルヒは校門の鉄扉をゆっくりとスライドさせて、あたしたちに手招きした。三年後より頭半分くらい低い背丈に歩み寄れば、キョンくんはみくるちゃんをかつぎ直す。
東中学は、正門入ってすぐがグラウンドで、その向こうに校舎がそびえている。
ハルヒは真っ暗なグラウンドを斜めに横切るように歩き始めた。真っ暗なおかげであたしたちの顔もよく見えていないはず、よかった。
ハルヒは運動場の隅っこまで真っ直ぐ前進すると、体育用具倉庫の裏へあたしたちを連れて行く。サビだらけのリアカーに車輪付き白線引き、石灰の袋が数個転がっていた。

*

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