*SOS団
禁則ですから…
*キョンside
「あ。起きた?」
天使のような声がして、俺は完全に覚醒した。左耳の下でモゾモゾしているこれは何だろう。
「あの…。そろそろ頭上げてくれないと、わたし、ちょっと…」
朝比奈さんの困ったような声だ。身体を起こして、俺は自分の位置を確認した。
夜の公園でベンチの上だ。
何と言うことだ。俺は、朝比奈さんの膝枕で寝ていたようだった。苗字は今もなお、朝比奈さんのもう片方の脚に膝枕で寝息をたてている。
寝ていたが故に、その記憶がないのだった。もったいない。
「もう、脚が痺れちゃってたいへんです」
朝比奈さんは恥ずかしそうに笑いながらうつむき、苗字の頭を撫でた。
どこで着替えたのかメイドさん衣装から北高のセーラー服に早変わりしている。夕方から夜中になってるんだから着替えるヒマはあっただろうが、俺はどんくらい寝てたんだ。というか、なんで寝てたんだ。
「時間飛躍の方法を知られたくないからです。ええと、禁則ですから…。怒った?」
いやあ全然っすよー。ハルヒのやったことなら殴ってますが、朝比奈さんならオールオッケーです。
というか、なんで苗字は巫女のままで寝ているんですか?
*
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