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*SOS団
タイムマシン?
*キョンside

「で、タイムマシンはどこなんですか?」

机の引き出しにでも潜り込めばいいのかと思ったが、そのようなギミックはないのだとおっしゃる。では、どうやって時間を跳躍するのか。朝比奈さんはもじもじとエプロンドレスの前で指を絡ませて、

「ここから行きます」

え、ここで?俺は人気の絶えた部室を意味もなく見回した。三人だけである。

「はい。椅子に座って。目を閉じてくれます?そう、肩の力を抜いて」

従順に従う俺と苗字である。まさか後ろからガツンとはやられないだろう。

「名前ちゃん、キョンくん……」

背後から朝比奈さんの潜めた声が耳の後ろにかかる。柔らかい吐息だった。

「ごめんね」

嫌な予感がして目を開けようとした瞬間、不意の暗転。立ちくらみの強烈なやつが俺の意識を奪い去った。完全なるブラックアウトが訪れる間際、やめときゃよかったかな、とちょっとだけ思った。


意識が復活したとき、俺の視界は九十度ほど狂っていた。本来ならば縦になっているべきものが横になっていて街灯が左から右に生えているのを見て、ああ俺は今横になっているのだなと考え、すぐに左の側頭部がやけに暖かいことを発見した。

*

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