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*SOS団
あなたのためなら火の中、水の中…
*キョンside

長門もぱたんと本を閉じた。おう、お前も追随してくれるか。ありがとう…と俺が感謝の念を抱いていると、長門は猫みたいな音のしない足取りで俺の前までやって来て、

「これ」

紙切れを差し伸べた。また短冊である。俺に渡されても天の川まで配送できやしないぜ、と思いながら目を落とす。
意味不明な幾何学模様が描かれていた。なんだこれは、シュメール文字か何かか?こんなもんエニグマに読みこませても解読できそうにないぞ。
俺が眉間にシワを寄せて絵とも字ともつかない○とか三角とか波状線とかを注視しているうちに、長門は身体を半回転させて帰り支度、そしてすたすたと部屋から出て行った。
まあいい。俺はその短冊をスラックスのポケットにしまい込み、お待たせしましたとばかりに朝比奈さんへと向き直ると苗字も俺に合わせた。

「あ、あのぅ。一緒に行って欲しいところがあるの」

誰あらん朝比奈さんのお誘いである。断ったりしたらバチが当たる。行こうと言うのなら熔鉱炉の中だって飛び込もうじゃないか。

「いいでしょう。どこに行くんですか?」

「その……ええと……三年前に、です」

どこへと訊いてるのに返ってきたのは、いつ、の話かいな。苗字はナイスリアクションな表情で朝比奈さんを見つめていた。

*

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