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*SOS団
イタズラ成功
*キョンside

かさり、と紙の擦れる音がして目を上げる。俺の正面で問題集とにらめっこしていた朝比奈さんが、片手の人差し指を唇に当てて右目を閉じ、余った短冊を俺に差し出していた。朝比奈さんはハルヒのほうをチラと窺い、さっと手を引っ込めた。そのままイタズラを成功させた童女のような顔で下を向く。
俺もまた共犯意識丸出しで、朝比奈さんがくれた短冊をささっと手元に引き寄せて見た。

『キョンくん、名前ちゃん。部活が終わっても部屋に残っていてください☆ みくる☆』

と、ちまちました字で書いてあった。
もちろんその通りにするとも。
俺は隣に座っている苗字に朝比奈さんから受け取った短冊をスライドさせた。読み終えると朝比奈さんに指でオーケーサインをして俺に笑顔を注いだ。




「今日はこれで帰るわ」

ハルヒはそう言って、さっさと鞄を手にして部屋から出て行った。どうも調子が狂うね。いつもは燃費の悪いディーゼルトラックみたいな奴が、今日はソーラーカー並みの殊勝さだ。今日の俺にとっては好都合だが。

「では僕もこれでおいとましましょう」

古泉もチェス駒を片づけて立ち上がった。古泉にしては珍しいな。さっきのことに気付いていたはずだが…何も言わないとこを見ると本当に気付いていないのか、何か起こるかだな。俺的には前者であることを願いたいが…
そんで、俺と朝比奈さん、苗字に目礼してから文芸部室を後にする。

*

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あきゅろす。
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