*SOS団
ハルヒの常識
*キョンside
無茶なことを言い出した。だいたい二種類も願いをしようという心づもりが図々しい。それに二十五年後や十六年後に自分が何をしてるのかも知れないのに、どんな願いをせよと言うのだろう。せいぜい年金制度や財政投融資が破綻せずにちゃんと機能してますようにとかじゃないだろうか。そんな願いを掛けられて織姫彦星の両人もいい迷惑だろうな。ただでさえ年一でしか会えないのに、そんなもん自国の政治家に何とかしてもらえ、てな気分に、まあ俺ならなるしね。
しかし、いつものようにしなくてもいいことばかりを考えつく奴だ。頭の中にホワイトホールでも入ってるんじゃないだろうか。こいつの考える一般常識はいったいどこの宇宙の常識だろう。
「そうとも言えませんね」
古泉が小声で俺だけに聞こえるように話し続けていると、
「そこっ!私語は慎みなさい。いま真面目な話をしてんだからねっ」
こしょこしょしてたのが目障りだったのか、ハルヒが目を三角にしながら叫んで、しかたなく俺たちはハルヒが配った短冊と筆ペンを持って席に着いた。
ハルヒは鼻歌混じりにペンを動かしているが、長門は短冊を見つめたままじっとしていて、朝比奈さんはケーニヒスベルクの橋問題を解こうとするかのように困った顔をしている。苗字も、しかめっ面をしているかと思いきや、ずっと遠くの空を見つめて微動だにしなかった。
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