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*SOS団
二つの安定剤
*キョンside

どうせ家に帰っても勉強しないのだから、放課後の部室でやっておこうと試みたものの、やりたくないもんは場所がどこであれ、やりたくないのだ。やりたくもないことをするのは肉体的にも精神的にもよろしかろうはずもない。
つまり、やらないほうがよほど健やかな生活を送ることができる。
よし、やめ。


真面目な顔で問題集を見つめてはノートにちょこちょこっと書き込みをして、物憂げな顔で考え込み、パッと何かを思いついた顔になってはまた鉛筆を走らせる、という行動を繰り返しているその彼女は、俺の精神安定剤その1、朝比奈みくるさんである。


その1があればその2があるというように、俺の精神安定剤もその2があるのだ。
それは言わずともがな、苗字である。
苗字は化学の問題集を開いている、その隣を古泉が占領し苗字を穴が開くほど見ていてそれに気付いている苗字は顔を赤らめ、目が泳いでいた。
何故か二人を見ているとイラっとしたので朝比奈さんに視線を戻すことにした。
目が合った。

「あ。な、なんなんですか?わたし、何か変なことしてました?」

*

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