*SOS団
エンジェルの心配事
*キョンside
続く二球を、朝比奈さんは地蔵と化して見送った。
バッターアウトの宣告を受けると、ホッとしたように苗字のところへ戻ってきた。
『みくるちゃん大丈夫でした?どっか痛くないですか?』
「名前ちゃん、ありがとう」
苗字が朝比奈さんの大丈夫そうな顔を見てホッとしていると長門が戻ってきた。
「有希!怖かった?」
苗字は、長門が戻って来たことに気付くや否や、正面から抱きついて聞いていた。
今更だが、苗字の会話を聞くと朝比奈さんには、親しき中にも礼儀あり。と言った感じに敬語というかタメぐちではない。そういう分別があるところは是非ともハルヒに見習って欲しいところだ。
「大丈夫」
苗字長門が無事であることを確認すれば、手を離した。
次は俺の番、一球目はストライク。
『キョンくーん!がんばれー!』
俺は苗字の応援に気付き笑顔を返そうと試みるが、球のあまりの速さに顔が引きつる。
二球目は空振り、三球目はカーブでバットから逃れてストライク。
三者連続三振。スリーアウト、チェンジ。
「アホーっ!」
左中間で手を回しながらハルヒが怒鳴っていた。あんなの打てるのおまえくらいだよ。
苗字という例外もあるがな。
*
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