*SOS団
八重歯な先輩
*キョンside
苗字はいきなりのことに驚きを隠せない表情で俺を見上げた。
「苗字、こんなやつに握手なんかしてやらんでいい」
俺に反論したのは言わずともがな、谷口だった。
「ったく、なんでキョンは邪魔するんだ。友達は多い方がいいだろう?」
「お前はナンパしに来たのか」
俺たちのやりとりを見ていた苗字は、
『二人とも仲良いんだね』
今のどこが仲良しに見えるのか悩んでいると、聞き慣れた可愛らしい声が苗字を呼んだ。
「名前ちゃん」
苗字の元へ寄る朝比奈さんと鶴屋さん。
鶴屋さんとは二年生で朝比奈さんが連れてきた助っ人。
「キミが名前ちゃん?みくるからよっく聞いてるよっ。ふーん。やっぱり可愛いねっ」
などと言って、朝比奈さんをなぜか慌てさせた。
その方は髪が長くて笑ったときに見える八重歯が印象的な明るい先輩だ。
「ちぇっ、キョンのせいで名前ちゃん取られたじゃねぇーか」
谷口のことは放っておくことにした。
*
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