*SOS団
俺、谷口
*キョンside
日曜日。午前八時ちょうど。
俺たちは市営グラウンドに集合した。
一回戦は五イニングまで。
夕方までにベスト4を決め、準決勝と決勝は来週の日曜日にやるという二週がかりの大会だ。
出場チームは無数だが、どうにも場違いなことに、全員学校のジャージで集まっているのは俺たちのチームくらいであって、他の参加者たちはほとんどがちゃんとした野球のユニフォームを着ていた。
関係ないが長門の制服以外の姿を俺はこのとき初めて見た。
──ちなみに谷口と国木田は電話一本、二つ返事で快諾した。
谷口は朝比奈さんと長門、特に苗字目当てで、国木田は「なんか面白そうだね」と参加を決めやがった。
単純な奴らで助かる。
谷口はさっそく苗字の側へ行き、話しかけていた。
「苗字 名前ちゃんだよね。俺、谷口」
馴れ馴れしくも手を差しのべて握手をもとめてやがる。
苗字は嫌な顔一つせず谷口の手を握り返そうとした。
俺はその行為が許せず苗字の腕を掴んでそれを阻止した。
*
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