*SOS団
魅了する魅力
*キョンside
「ありがとう、……あと、名前ちゃんのこともよろしくお願いします」
可憐な微笑みを投げかけて、朝比奈さんは名残惜しそうに振り返り振り返り、その場を去った。ハルヒもこの健気さ見習えないもんかね。
いい感じになると思うのに。
グラウンドに戻ると、シートノックはまだ続いていた。呆れたことに、守備についているのは野球部員たちで、古泉と長門はバックネット裏でぼんやり立っている。
苗字は俺に気付いたようで駆け寄ってきた。
『みくるちゃんは?』
「打撲だ。二日もすれば良くなるだろう。今日はもう帰った」
苗字はホッとして胸を撫で下ろした。俺と苗字が話してるのに目敏く気付いた古泉が快活な笑顔で
「やあ、どうも。お帰りなさい」
「何やってんだ、あいつは」
「見ての通りです。どうも我々では手応えがなかったようでしてね、先ほどからあの調子です」
まさに広角打法。
ハルヒは宣言した通りのポジションに宣言通りの球を打ち込んでいた。
苗字は長門の隣でグラウンドを見つめている。
「苗字さんにはすばらしい魅力がありますね」
エセスマイル野郎が俺に話しかける
「何と言いますか、長門さんを魅了するほど魅力があるという意味でね」
そのことには俺も前々から驚いている。
*
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