*SOS団
ハルヒの乱れ打ち
*キョンside
「いやあ、久しぶりですよ。懐かしいな、この感触…
それにしても上手いですね、苗字さん。ずっと見ていたい光景です。あの危なっかしい格好を他の男子に見られているのが少々、勘に触りますがね」
ハルヒの乱れ打ちを軽やかなステップで処理しながら、古泉は白い歯を俺に向けた。
そんな余裕があるなら、朝比奈さんをかばってやってくれ。
長門はと見れば、棒立ち状態で正面を向いていた。
自分に向かって飛んでくるボールにも委細かまわず、ただ突っ立っている。
耳の横数ミリを掠める球にも微動だにしない。
たまにラジコンみたいな動きで左手にはめたグローブをゆっくり動かし、直撃コースを取る打球だけをキャッチしてはポトリと落とす。
もうちょっと動けよ。
それとも動体視力の良さを褒めてやるべきだろうか。
他人を気にしていたのが悪かったか、イレギュラーバウンドをした硬球が俺のグラブを掠め股下を抜き、朝比奈さんの膝小僧を直撃してしまった。不覚。
「わきゃあ!」
朝比奈ナースバージョンさんは悲鳴を上げて、
「痛いー…ですー」
しくしく泣き始めた。
もう見てられん。
『みくるちゃん!大丈夫?』
「うぅ〜名前ちゃん…」
*
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