[携帯モード] [URL送信]

*SOS団
ハルヒの乱れ打ち
*キョンside

「いやあ、久しぶりですよ。懐かしいな、この感触…
それにしても上手いですね、苗字さん。ずっと見ていたい光景です。あの危なっかしい格好を他の男子に見られているのが少々、勘に触りますがね」

ハルヒの乱れ打ちを軽やかなステップで処理しながら、古泉は白い歯を俺に向けた。
そんな余裕があるなら、朝比奈さんをかばってやってくれ。

長門はと見れば、棒立ち状態で正面を向いていた。
自分に向かって飛んでくるボールにも委細かまわず、ただ突っ立っている。
耳の横数ミリを掠める球にも微動だにしない。
たまにラジコンみたいな動きで左手にはめたグローブをゆっくり動かし、直撃コースを取る打球だけをキャッチしてはポトリと落とす。
もうちょっと動けよ。
それとも動体視力の良さを褒めてやるべきだろうか。
他人を気にしていたのが悪かったか、イレギュラーバウンドをした硬球が俺のグラブを掠め股下を抜き、朝比奈さんの膝小僧を直撃してしまった。不覚。

「わきゃあ!」

朝比奈ナースバージョンさんは悲鳴を上げて、

「痛いー…ですー」

しくしく泣き始めた。
もう見てられん。

『みくるちゃん!大丈夫?』

「うぅ〜名前ちゃん…」

*

[*前へ][次へ#]

10/29ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!