*SOS団
出会い
*主人公side
『あたしの名前は…』
なんて一人で自己紹介の練習をしながら転校の手続きをしに職員室へ向かっている。手続き早々寝坊してしまい走っている最中、もちろん私服で。ところで職員室はどこ?
おろおろして角を曲がろうとしたら誰かとぶつかった。
バーン!!
『いてて……ご、ごめんなさい!』
「ちょっと!どこ見て歩いてるのよ!!」
顔を上げるとそこには黒い髪にカチューシャつけて、この上なく整った目鼻立ち、大きくて黒い目を異常に長いまつげが縁取り、淡桃色の唇を固く引き結んだ女の子、つまり美人さんがいた。
あたしはその美人さんの容姿にみとれて時間が止まったようにそのまま座りこんだ。
「……誰?迷子の子猫ちゃん?」
その美人さんはまるで小学生をあやすようにあたしの頭を撫でた。
『迷子じゃないですー。職員室探してるだけだから……あ、でも迷子かも……けど子猫ちゃんじゃないから!』
「ふーん、面白い子猫ちゃんね。職員室ならここ曲がってすぐよ」
その美人さんは職員室と言った先を指さして教えてくれた。
『ど、どうも……』
お礼を言って職員室の方へ行こうと立ち上がった。
「……あたし、あんたとどこかで会ったことがある?ずっと前に」
『え?今日が初めてのはずだけど……』
こんな美人さんを見ていたら忘れるはずがない。あたしの記憶が正しければ絶対に会ったことがない。
『あー、時間がぁー!早くしないと、ありがとう』
「…あの子は入団決定ね」
*
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