*SOS団
有名にすること
*キョンside
「これ」
得意満面の表情でハルヒが俺に差し出したのは、一枚のチラシだった。
それを覗くように俺の腕に抱きついてきたのは苗字であった。
俺が腕に柔らかいものがあたっていることに心を踊らせていると苗字はそのチラシをまじまじと見始めた。
『野球大会参加募集……ハルヒ、あたしも出れるの?』
「もちろんよ!SOS団みんなでね」
「おいっ、俺たちの意思はどうなるんだろう」
「あと三人……やっぱもう一人いれて四人、メンツを揃える必要があるわね」
例によって自分に都合の悪い話が耳に届かない奴である。ふと思いついた。
「お前、野球のルール知ってるのか?」
「知ってるわよ、それくらい。野球部に仮入部したこともあるから、一通りはこなしたわ」
「仮入部って、何日くらい行ってたんだ」
「一時間弱かしら。てんで面白くなかったからすぐに帰ったけど」
「その面白くなかった野球の大会に、なぜ今更しかも俺たちが出場しなければならないんだ」
あまりに当然の疑問に対し、ハルヒは次のように答えた。
「我々の存在を天下に知らしめるチャンスだわ。この大会で優勝しなら、SOS団の名前が一人歩きしていくきっかけになるかもしれないじゃないの。いい機会よ」
*
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