*SOS団
出場宣言
*キョンside
ある日のSOS団のアジトで、涼宮ハルヒは甲子園で一番クジを引いた野球部キャプテンの選手宣誓のような溌剌さとともに高らかに宣言した。
「野球大会に出るわよ!」
6月であり、放課後であった。
突然ハルヒが突拍子もないことを叫んだのだ。
俺はこの部屋にいる俺以外の四つの顔を見回した。
最初に見たのは、ニヤケハンサム面の古泉一樹だ。
面白そうな顔をして、俺に視線を投げかけている。
意味もなくむかつく。
前髪をパサリと払って、いまいましいまでに整った顔を笑いの形に歪めた。
そして俺と目が合うと、殴りたくなるくらい様になる仕草で肩をすくめて見せた。
殴って欲しいのか、こいつは?
俺は次に、分厚いハードカバーを開いている女子へと顔を向けた。
一応紹介しておくと、こいつは一年生で、この部屋が本来所属するクラブの生徒、一人しかいない文芸部員だ。
「…」
無反応な長門の顔をずらすと、その横に俺を癒すエンジェル二人が立っていた。
*
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