*SOS団
要は普通なのだ
*キョンside
『え?鍵?てゆーか、キョンくん。それ要するにになってないよ!』
苗字、お前も俺をその名で呼ぶのか。
「ああ、すまん。要は俺が普通だから苗字も普通の人間だと言うことだ」
『じゃあ、有希とみくるちゃんと古泉くんは普通の人間じゃないの?』
「そういうことになるな」
他人の私情をぽんぽん言うほど俺は駄目人間ではないのでその後の言葉は心の中にしまっておいた。
「詳しいことを話す。ついてきて」
長門が苗字に言葉を投げかけると、立ち上がりスタスタと文芸室から出て行った。
『ちょっと、有希ー待ってぇー!じゃあ、みんなバイバイ』
その姿を見て苗字は慌てて後を追った。
残された俺たちの沈黙を破ったのは朝比奈さんだった。
「ふふ、名前ちゃんですか。可愛らしい方ですね。涼宮さんが羨ましいです」
ハルヒが羨ましい?何故です?
「だって、ためらいなく抱きついたり……」
朝比奈さんに抱きつかれて拒む人はいませんよ。いるとするならばそれは間違いなくゲイです。
「あの…そろそろ着替えてもいいですか?」
俺は古泉とともに文芸室を出るとそのまま家に直帰した。古泉と別れるまでの数分間は「苗字さんは面白い方でして…」みたいな自慢話を聞かされた。
*
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