企画小説 好き、嫌い、す き!* 学校の屋上で、またあの二匹の猫が鳴き声をあげていた。 猫――と言ってもそれは一見人間の様。 人間とは別に暮らしている『猫人』という種族には、頭にピコピコと動く猫の耳、尻からは個々で長さも太さも違う尻尾があるのだ。 その尻尾を絡め合い、激しく求めようとしているがそれはなんとオス同士で、白猫が黒猫に覆いかぶさっている。 白猫、陽は黒猫の弟、月の制服のズボンだけを少し下にずらし、その蕾に自分の雄の証をねじ込んでいた。 「うっぁァん、も、だめっ、…ッん、あぁっ!」 「ここ?ここが気持ちいいんでしょ、月…っ」 グイっと奥に押し込んだ陽は、細かく腰を揺らした。 ガクガクと思うままに揺さ振られる月のそれからは、透明の体液がポタポタと落ちる。 「ぅぁぁああっ、ぁあ、っしんじゃ、死んじゃう…ッ、あっ、だめ、壊れる…っ!あぁアー…ッ」 「く、……っ」 ぐい、ぐい、と本能で奥へと突き上げ自分の子種を注ぐ間も、陽は月の中心を戒める手を緩めてはやらない。 達せないままイッた月は腿を痙攣させて懇願する。 「やぁあ、やだぁー…っ、イキたい、イカせてよぉ…、っぁああ…」 「泣かないで、月。俺に嫉妬させた罰だ。だから俺があと一回イッたら、ね?」 ね、でもう一度復活したそれを引き抜いてから、一気に挿れる。 その衝撃で声が出ない月は目を見開き、唇を噛んだ。 「…唇噛んじゃ駄目だ」 「う、ぁん…陽、おれもぅ…壊れちゃう、ッあ、許し、てぇ…っ」 荒く息をつきしゃくり上げる月。 ふるふると震えて伏せられた猫耳を撫でた陽は、俯せになっていた月を持ち上げ、自分の膝の上に乗せた。 背面座位の形のせいで、自分の重みでまたもや奥まで入って来る陽自身を感じ、月はあられもない声をあげた。 「っひぁあああ!ふか、ぃ…っ、奥、もう入らない、から…っやぁあ」 「はっ…月の声、腰に響く…イイ声…健太になんか聞かせんな」 「ぁん、っあん、陽だけ…ッ、あっあ、…っあ、すき……っ」 中で三度目の射精を感じ、陽に戒めを解放された自身からも濃い白濁を飛ばした。 ****** 「……ん…」 「あ、意識戻った?」 ふと目を開けるとそこは、陽にいきなり押し倒された屋上の、気持ちいい日向だった。 「あ…オレ、あのまま…?」 「うん。…えっと、ごめんなさい」 頭を下げて、申し訳なさそうにした陽は、目を泳がせて言う。 「月が気失ってる間に健太からちょうど電話来てさ、あれは誤解に決まってんだろーって叫ばれた。耳痛いよ俺」 月はそんな姿の陽を見て目を丸くし、次に頬を膨らませた。 「ほんと、ばっかじゃないの。オレが健くんに自分からキスするわけないだろ。一番分かってくれてると思ってたのに」 「…その通りですね」 苦笑いする陽に知らず月も笑ってしまい、隣に擦り寄った。 「…オレ、お尻痛いんだけど。…見てくれる?先生が」 「ほう…先生のお注射受けないと治らないと思いますよ」 もううなだれていた様子から雄の表情に変わった陽に、月はまた酷くされるのも悪くないかもと思ってしまう。 そんな自分に苦笑いして。 その直後、二つ影が重なって見えた。 end [*前へ] |