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企画小説
チロル☆バレンタイン

―――夜中。
日暮家・in月の部屋。


…ばらばらばらっ


「いてっ…痛!、ッななななんだよ…!!」

「イエーイ。ハッピーバレンタイーン」

「…はい?」


聞き返しただけ。
オレはよく意味がわからないから、聞き返しただけだ。

だよな…?

…なのに何故、陽に組み敷かれている…?


「聞いても、見てもわかんない?チョコ。バレンタインだよ、おばかさん」

「おばかっ……て、今日がバレンタインは分かってら!なんでチロルが大量にオレのベッドに転がってんだよ」

「んぁ〜〜…チョコの海で溺れてみたい、て月が前言ってたじゃん」

「いつの話だ…!」


そんな事はともかく、陽に腕掴まれてるわチョコが体に被さってるわで身動きが取れない。
ほんとにチョコで溺れそうだ。

と、とりあえず陽に退いてもらおう。


「ちょ、陽、腕離し、」

「却下」

「うわっ…!?」


いきなり、どさっと俯せに転がされた。
大量のチロルチョコの上に乗ってしまい、かなり痛い。


「さーてと。チョコと一緒に、とろっとろに溶けちゃおうね〜」


陽がそう言うと同時に、オレのパジャマの中に手が侵入してきた。
しかも、なんか分からないけどドロドロしてる。

…今分かった。
陽がチョコを、いつの間にか分からないけど手で溶かしてたんだ。


「うぁんっ…、」

「チョコレート装飾乳首」

「ひあ、さいあく……っ」


ぬる、ぬる、と手で必要以上に揉まれて、早くも変な気分になる。
こいつの手の動きはいつもながらにエロすぎる。


「気持ちいいんじゃないの?」

「うっ、さい……、」

「…あー、この時の為にどれだけ俺がチロルチョコを集めたか。去年は月に貰っちゃったから、今年は俺からのあまーい愛だよ」


陽は昔からこういう、思いたったら即行動!な奴だった。

自分は甘い愛、なんて言ってるけどオレはこれからどうなるんだ……!



***






なんて、昨晩はのんびり思ってたのがいけなかった。
あの後どこもかしこもチョコだらけになってしまって、しまいには陽の一物に溶けたチョコをかけて『チョコバナナ』なんて阿呆な事もされた。
(これはマジで恥ずかしかった)

あげくには…――


「んん〜っ!?何やら甘い匂いがする!…うぉっ、月からだ!髪も甘い、体も甘いチョコの匂いだぜーっ!」

「……俺の月に近付くな」


どんどん男共が集まってくる欝陶しさときたらない。

陽め。
来年は覚えてろよ!





end

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