わ
「うー…眠い」
陽がオレの顔を見ながらそう言った
だからなんなんだ
それなら今すぐ布団をかぶって寝ればいい
「手、貸して?」
手を伸ばしながら言われたから、首を傾げながらも右手を差し出す
するとその直後、グイッと引っ張られてオレは陽の上に倒れてしまった
「あいたたた…陽、何やってんの…」
ゴチ、という鈍い音と共に陽とオレのでこがぶつかってしまってとてつもなく痛かった
「いたた、俺もこれは予想してなかった…ちょっと月、ここ」
ここ、と言って自分の膝を指差す陽
まあこれは座れという意味だろう
「あ、違う違う」
陽に背を向けて体育座りで収まろうとすると、向かい合わせになるように直された
「んん、なあに?」
オレの腰と背中に手を回して肩にアゴを置いた陽に、聞いてみる
ついでにオレも陽の背中に腕を回した
「んー、やっぱり落ち着くわー」
「…あ、そう、」
うん…?
こりゃなんだ
肩に顔を埋めて、鼻で思いきり匂いを吸っている陽の行動は意味不明
肩の周りがスースーして少しゾクゾクした
「月、いー匂い」
「そりゃどうもー」
「んー」
もしかしなくても陽はこの体制で寝るつもりなのか
まあもう少しくらいはこのままでもいいかな、なんてね
おわり
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