モノクロツインズ
双子とちっちゃい嫉妬
陽です。
月は只今ベッドに俯せになってDS中。
さっきから一言も喋らずぷよ○よしてるみたい。
「つーきぃ」
わざと鼻にかけた甘ったい声で呼びながら月の腰に乗っかる俺。
俺ってばかーわい。……ごめん嘘だからね。
「もう…、なに」
「最近溜まってるんだけどー」
「あっそ。オレはぷよが溜まってきてるからちょっと黙ってて」
「……」
月ってば…。
ほんとに可愛いんだから。
俺は萌え死にしそうです。
月に軽くあしらわれた事はもう忘れて、月の耳を甘噛みしてみた。あ、人間の耳の方。
すると面白いくらいにびくついた月。
相変わらず感度がイイことで。
「なっ…にすんの!」
「月はぷよしてたらいいじゃーん」
「そんなとこ…っ噛むから集中できな、…ッあ、陽っ!」
ぐふっ。
えっろい声〜
て、言ったら怒られた。
ほんとの事なのにねぇ。
「ああもうっ……!陽は何がしたいのさ!」
そりゃあ勿論…
「セック「絶対ッやだ!」
いきなりデカイ声出すからびっくりしたじゃんか。なんでそんなに嫌なのかな。
どーして、って聞くと、月はぷいっと目を逸らした。ほっぺた膨らませて子供みたい。
なにこのにゃんこさん。
可愛すぎ……!
ってそうでなくて!
「つーき…」
「あいつの匂い付けた陽なんかに抱かれたくないもん…!」
そう言った月は、我に返ったようにあわあわしてる…。ってゆーか。
今すっごい可愛い事言われちゃったような気がするんですが…俺の耳が悪くなったのか?
「月……?もっかい」
頭を撫でて促すと、月はベッドに正座して言った。
「杉浦の香水の匂い…!今日は学校で陽に抱き着いてた……ッ!」
「…は」
ウン。
確かに今日俺は杉浦悟というちっこい奴からタックルを食らった。
あいつはなんとまあ月の事が好きらしく、俺に色々と月情報を聞きに来るウザイ男だ。
今日も例外じゃなくて、俺にタックルを食らわせた後に肩にベタベタと引っ付いてたな、そういえば…。
「プッ…」
思わず噴き出した俺は、一瞬しまったと後悔する事になる。
月が鬼のような形相で俺を睨んでいた。こわ……!
ってあれれ。
泣きそう…って月…?
「なにがおかしいの…オレ、嫌だった、のにッ…陽全然怒んないし…ひっ、く…、」
「つ、月っ!?なんで泣いて、…」
「オレなんかじゃなくて、小さくて可愛い杉浦がいいんだったら最初から言えーッ!!!」
はあ!!?俺がなんだって?すっごい誤解されてる……!!
「つつつつきくん。とりあえず落ち着きなさい」
「落ち着いてる、っもん…!陽のバーカ!!年中発情期野郎!」
「なんだそれ…!否定は出来ないけどッ」
って俺の馬鹿!
違うだろ!
月を腕の中に収めて、とりあえず深呼吸する。月の体は細かく震えていた。
「ふ…っ、く…ばかぁ…」
耳元でグスグス言いながらも抵抗しない月に少し安心した。
こんなに可愛い恋人がいるのに…。
「月大好き」
ぎゅって腕に力を込める。
そしたら月はそれに反応してしっぽをパタパタさせた。
嬉しい事があった時の月の癖だ。
「じゃあ…杉浦は……?」
「なんもないし、っていうかアイツは…」
月の事が好きなんだ、と言いかけて止めた。俺自身。月に教えたくないっていう気持ちがあったからね。
「陽…?」
「ん、またいずれ分かると思うよ!…とりあえず、俺はアイツが嫌いだから」
「っは!!?そうなの!?」
月は、なんだー、ってため息混じりに言って俺の背中に腕を回した。
一件落着?かな。
マジでよかった…!
「あーぁー。杉浦のせいで月に変な誤解されちゃったな。なんかだんだん腹たってきた」
「ご、ごめん」
漆黒の猫耳を髪にペタンて弱々しく伏せた月は、両手を合わせて謝る。
っ…ぐは。その姿が俺のS心に火をつけたらしい。
俺が月を力任せにベッドに沈めると、驚いた月が小さい悲鳴をあげた。
そして俺が何をしそうなのか分かったのか、月は歯をギリギリと噛んで俺の顔を正面からわしづかみ…。
ちょ、月くん痛いです…!!!
指が目に!!!
「こンの…エロ親父で年中無休発情期野郎!!!」
メキッ…
…月……
今のは精神的身体的に効いたぜ……。
end
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