少女漫画 初めて会ったときから俺は土方十四郎という男が嫌いだった。 近藤さんに、姉上に、他の奴らに、みんなに好かれているアイツが嫌いだった。 一緒に歩いていると、女共がアイツを熱い視線で見るのが嫌だった。 みんながアイツに話し掛けるのが嫌だった。 みんなに嫌われて、俺にすがりついてくればいいと思った。 俺を、俺だけを見ていればいいと思った。 そう、俺はみんなに好かれている土方が嫌いなのではなく、 土方を好いているみんなが嫌だったんだ。 なんでもわかってるような態度が、 いつも余裕綽々な顔が、 優しく頭を叩く大きな手が、 煙草の匂いが、 ぶっきらぼうだけど実は凄く優しい、 そんなアンタが いつの間にか大好きになってた。 大嫌いな奴を意識しすぎて好きになる、なんてまるで 少女漫画 |