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りょーじょくアリス
教師と…2

転入して来て少し経つが広すぎる学園の地図を全て覚えている訳じゃないから何処に行けば逃げきれるかが分からない。
走り出して早々考えが浅かったと思い始める…部屋に帰っても学園の先生なら部屋くらい直ぐに調べられるだろう。
だから空き教室を探そうと思ったんだが…此処は何処だ…
いつの間にか後ろから服部は付いて来ていないらしくホッと胸をなでおろし走って乱れた呼吸を整えた。

暫く歩いていると見覚えのある廊下へと出てきた。
此処まで来ればもう教室へも寮へも帰れる。
しかし安心したのもつかの間…ここら辺は確か各教科の準備室がある階だ。
まずい…数学準備室だってある…服部の奴が来たら逃げ場はない。来ないでくれと願う…
だがそんな願いも虚しく後ろから誰かに声をかけられた。

「おい」
「っ……!」

ビクッと肩を震わせ恐る恐る声がした方を振り向くと案の定そこに立っていたのは服部だった。

「服部…っ…」
「まさかそっちから会いに来てくれるとはな」
「クソっ…」

再び逃げようと試みたが服部に腕を捕まれそれは叶わなかった。

「逃げんじゃねぇよ…来い」

声をワントーン下げると俺の腕を強い力で引っ張り数学準備室まで行くとその隣の部屋へと連れてかれた。
カチャッと音がしてそちらを見ると部屋の鍵をかけられた。何故かけたのかは分からない…

この部屋は確か噂に聞いていた、どの教職員も立ち入らせない服部専用の部屋だ。
中で何してんのか謎だったが他の準備室とは変わらず、積み重ねられた教材と机とソファーが置かれていた。
服部専用なんて言うから怪しんでいたが思ったより普通だ。

掴まれていた手を離されたがドアの前には服部が立っていて逃げられない。クソ…

「おまえ…俺の授業サボってんじゃねぇよ」

さすがにこの前の2時間連続で服部の数学になった時にサボったのはまずかったのか…
いきなりの変更だったからその前までは元気に騒いでいたのを見られていたのかもしれない。

「授業は出ねぇし、出ても寝てるし、テストの点数は悪いし…俺の事嫌いだろ。さっきも逃げたし、呼び捨てにしたしな」
「っ……」

言いながら近付いて来てかなり怒っている服部から後ずさるも直ぐに後ろは壁になり追い込まれる。
そう言えばこの部屋、何か暗いと思ったら窓が無かった。
此処は2階だしもしかしたらと思ったが…逃げ道はドアしかないという事だ。
だが再び服部に腕を捕まれ驚く暇もなく後ろ手に1つにまとめられ壁に押さえつけられるとぶつけた頬がジンジンした。

「いっ……」
「悪い奴にはお仕置きが必要だな」

何言ってんだ、体罰なんて問題になるだけなのに服部はテープを持ってくると後ろに回された両腕をグルグルに巻き一纏めにした。
思ったより粘着力が強くびくともしない。




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