短編集 ※綺麗な人 R-18/ノンケ×美形 昔から綺麗な物が好きだった。 綺麗な物を見つけると拾って家に持ち帰ったり写真に収めたりしていたが、通りすがりの女性の横顔を撮ったら怒られたなんて記憶もある。 だがそんなある日の夜、路地裏で男同士の性行為を見てから興味が湧いてしまった。 元々AVなどは不純で苦手意識があったのにまさか男同士に見惚れてしまうなんて思ってもみなかった。 二人共幸せそうでとくに女役の人は女性以上に綺麗だった。 あれを見てしまってから俺はゲイバーという所に時々訪れるようになった。 あの二人のような綺麗な恋愛がしてみたいと思ったのかもしれない。 バーのマスター…というかママとはすっかり仲良くなり、派手な化粧もキラキラ輝く衣装も今では慣れた。 絶滅危惧種の美形を求めて今日もバーに来る。 そしていつものようにママに慰められる。 出来る事ならノンケに戻りたい…でもあれを見てしまってから綺麗な女性を見ても何か物足りないのだ。 同じ男というところにも惹きつけられたのかもしれないな… 「元気出しなさいよ。まだ若いんだから、これからよ」 「そうかなぁ…心が折れそうだよ」 注文した二杯目のウイスキーを手にカウンターに突っ伏すとお店のドアが開きそれを知らせるカランカランという音が聞こえてきた。 『いらっしゃいませ』 いつ来ても此処は繁盛している。 ママの人当たりのいい性格のおかげもあり常連客が多い。 けどたまに新しいお客さんも、評判を聞いてくるらしい。 『此処は初めての子ね?』 『はい。あ、隣…良いですか?』 『どうぞ、この人の事気にしないで座っちゃってください』 『ありがとうございます』 そんな会話が聞こえて来る。透き通る綺麗な声をしたお客さんだ…眠れそう。 でもさすがに眠るのは迷惑だから薄く目を開くと俺の隣の椅子に座る脚が見えた。 隣って、俺の隣だったのか…挨拶しとかなきゃ。 慌てて突っ伏していた体を持ち上げ隣を見た。 「あっこんばんは!すいません、寝てしまっ…て、て……」 隣を見て驚く。 一目惚れ…ってやつだろうか。言葉が出ないほど綺麗な顔立ちをした青年だった。 俺の理想を具現化したらこんな感じだ。 「いえ、こちらこそお隣失礼します」 「ぁあ、はい…」 落ち着いていて色っぽい雰囲気を漂わせている。 それなのに少し幼くも見える顔立ちで、俺より年下だろう。 高校生と言っても騙せそうだがこのオーラは高校生には出せない。というか此処は未成年立ち入り禁止だ。 凄くタイプなのにまともに顔すら見る事ができない。 グラスを持つ手が微かに震える…ママはそんな俺に気付いたのか気を使って離れた場所へ移動していた。 二人の方が話しやすい。でも話しかけたいのに話しかけられない…ドキドキしてしまって平静を保っていられるか不安だ。 気付けば時間はかなり経っていて一言も話さない内に美形青年はグラスを空にしていた。 帰ってしまうだろうか…このまま終わってしまうのだろうか…気になるなら話しかけなきゃ男じゃない…こんな乙女チックな自分は嫌だ。 意を決して話しかけようとした瞬間… 「あの」 「はっはい…!」 突然話しかけられて声が裏返ってしまった。 まさか殆んど同じタイミングで話しかけられるなんて思ってもいなかった。 かなり緊張して次の言葉を待つ… 「こ、このあと…空いてますか…?」 恥じらいながら目線を少し落として言う彼。 そんな姿に可愛いと思いながらも彼から誘われた事に驚く。 喜ぶ前に何でまだまともに話していない俺なんかを誘うのかが不思議だった。 でもやっぱり嬉しくて俺は誘いを受けた。 それから数十分後、俺達はラブホテルに居た。 会話もなく彼の後を付いて行ったら此処にたどり着いた。 これはその…本当に誘っているという事で良いのだろうか… 風呂に入って気持ちと体を整えたい。 「あ、あの…こういう所に来るって事は…そう言う事で良いの…?」 「はい。それ以外に理由はありません」 もしかしてこの子は慣れているのか…? 誰でも良いから夜の相手をテキトーに見つけているとか…? でもバーで話しかけられた時に見たあの表情はそんな事を思わせないものだった。 「じゃ、風呂入って来て良いかな」 「そのままで良いです」 「え、でも…」 こんな綺麗な人…こっちも綺麗にしなきゃ汚してしまうようで落ち着かない。 でもそんな気持ちに気づく事なく彼は服を脱ぎ始めた。 徐々に露わになっていく彼の白い肌…顔だけじゃなく、体も綺麗だ…つい見惚れてしまう。 「あの…」 「あぁ、ごめん…」 自分も下着だけの姿になりベッドへ横たわった彼の上に覆いかぶさった。 近くで見るともっと綺麗だ…綺麗な体を目の前にして俺の体は勝手に動いた。 何処までも透き通る綺麗な肌を堪能しながら首筋から鎖骨、胸板へと手を滑らせていき薄ピンク色の乳首に触れる。 「んっ」と声を漏らした彼は恥ずかしいのか顔を逸らし手を口元へやっていた。 そんな反応が可愛くてもっと反応を見るために乳首を弄ると段々と芯を持ち始め肌も赤く色付いてきた。 ますます色っぽくなった。 「ンンっ…はぁ…あっ!」 先程まで震えていた指先は本能のまま動き、彼の自身を下着の上から触れた。 熱くなったソコを揉むように弄るとビクビクと肩を揺らし感じているのが分かる。 「あんっ…あぁ…っ…」 一応言っておくが男相手は初めてだ…まだノンケの血は流れているしゲイとは少し違う気がする。 女性相手だと思ってやれば勉強した知識と照らし合わせ上手くいくと思ったが、実際に綺麗な人を目の当たりにすると理性なんて吹っ飛びそうになる程体は勝手に動く。 声も可愛いし体も綺麗で…感じている姿はとてもそそる。 感じやすいのか既に下着に染みが付いてきた。 汚れてしまっても困るだろうからゆっくりと長い脚を通して脱がす。 本当に、隅から隅まで綺麗だ… 「………」 「あ、あんまり…見ないでください…っ」 「なんで?とても綺麗だよ」 つい見惚れてしまう体。どこもかしこも綺麗で最高だ。 舐めいるように見られて恥ずかしいのか頬を赤く染め顔を逸らしている。そんな姿も可愛らしくてキスしたくなる。 でも初対面の好きでもない奴にされるのはどうなんだ…迷った結果俺は首筋に口付けた。 ピクっと反応した彼が愛おしくなってくる。自分の愛撫で感じてくれているのは嬉しい。 そのまま舐めたり吸ったりしながら乳首まで移動し、赤く色付くそれを口に含んだ。 「ふあっ…ンぅっ…」 本当に感じやすい…乳首を舌で刺激しながら自身もゆるゆると扱くと耐えるように体を強ばらせているが限界は近いらしく、先走りで自身を扱くとクチュクチュと厭らしい音がし始めた。 そろそろ良いだろうか… ホテルに置かれていたローションを掌で体温程に温めてから、片脚の膝裏に手をやり持ち上げ、後ろの蕾に触れた。 ローションの滑りを借りて第一関節までは入るのだが想像以上に後ろはキツかった。こんなとこ…俺のなんて入る気がしない…… 挿れた指を円を書くように回して慣らしていく。 暫く続けると指一本入るようになった。 中は熱く粘膜が絡み付いてきて傷付けないようゆっくりと指を動かすが、ふと片手で持っていた脚に目がいった。 白く透き通る肌は人形のように綺麗ですべすべしている。 そんな太腿を見て俺は無意識に中に指を挿れたまま脚に口付けた。 「っ…な、に…」 突然の事で驚いたのか口付けた脚がピクっと反応したが気にせず綺麗な脚を舐めた。 本当は噛み付きたいし食べてしまいたいと思う自分もいるがやはり傷付けたくないので味わうように舐める。 段々と位置をずらしていき内腿を舐めると彼は「んあっ」と甘い声で喘いだ。 それと同時にキツかった中が少し緩くなった気がする。 感じて力が抜けたからかもしれない。 俺は内腿や脚の付け根を舐めながら中に挿れている指を二本に増やし前立腺という所を探した。 「ふぁ…はあっ…ぁんんっ…」 舐めている太股は赤く色付き、舐める度に指を挿れている所がひくつくようになってきた。 もう俺のを挿れても大丈夫そうだ。彼の自身も後ろを弄って苦しかったのか萎えてしまったが今はまた上を向いていた。 あとは前立腺。男はそこが気持ちいいらしいのだが…結構奥にあるらしい。 奥まで頑張って挿れ、指を折り曲げた時だった。 「んあっ…ぁ…ひああ!」 突然彼が大きな声を上げながら体をビクんっと震わせ、一瞬焦ったがどうやら今前立腺に触れたらしい。 このコリっとした所が前立腺…俺はそこを集中的に指で擦った。 「ぁああっ!ダメっそこ…ひあっ」 背中を反らせ快楽を逃がすように首を振るが体はビクビクと震え感じているのが分かる。 本当に前立腺は気持ちいいらしく目に涙を溜めた彼はどんどん色っぽくなっていき、それでもとても綺麗だった。 早く彼に挿れたくなり俺は指を抜いて履いている下着を脱いだ。 既に自身はガチガチに昂っていて、彼の乱れた姿を見てこうなったと思うと少し恥ずかしくなる。 彼はハァハァと浅く呼吸を繰り返しトロンとした目でこちらを見ていた。 堪らない…彼は俺の理想を通り越す程綺麗だ…綺麗なものは壊したくないのに俺の愛撫で感じる事は愛しさに変わっていき滅茶苦茶にしてやりたいなんて思ってしまう。 早く挿れたい、もっと彼を淫らにしたい… 俺は屹立した自身を蕾へと宛てがった。 彼が無意識だろうが喉を鳴らしたのを見て俺は迷いなくグっと自身の先端を挿れた。 少しキツいが彼の自身を扱くと力んでいた体の力が抜け入りやすくなる。いい調子だ… 「ンっ…はあっ…ぁあッ…」 「後少し…頑張って…」 自身に絡み付く粘膜は熱くうねって気持ちがいい…昔付き合っていた女性と性行為はした事あるがこんなに気持ちよくはなかった。 まだ挿れただけなのに…後少しで全て入りきるという時、俺はとんでもない事を思い出した。 まずい…早く彼に挿れたくて、冷静じゃなくなってて……ゴム、付け忘れた…… ホテルにはゴムも装備されててローションの隣に置いていたのに………… 彼に申し訳ない事をした… 「あ、ごめん…!ゴム付け忘れてた…待ってね、今抜く…」 「いい!」 「え……?」 「いいです…そのままで…大丈夫です」 彼は俺の腕を掴んで抜こうとしたのを引き止めた。 そんな姿を見て少し興奮した。こんなに求められるのは初めてで…しかも相手が美人…俺は中で自身の質量が増した気がするが「分かった」と呟くとグっと腰を押し付け全てを埋めた。 あんな狭かった所に全て入りきって苦しくないのか彼を見るが潤んだ瞳が早くとでも言っているように見えた。 俺は彼の細い腰を掴みゆっくりと抜いたり挿れたりを繰り返した。 「んっ…あぁっ…」 絡み付くそこはどんどん熱くなっていき彼の肌は全体的に赤く色付いていく。 汗ばんできた体も綺麗で、美しいものが乱れるのに綺麗と感じてしまう。 挿入している口も、大きく開いた脚も、先走りを溢れさす屹立した自身も、薄ピンク色の胸の尖りも、鎖骨から項にかけての首筋も、開きっぱなしの唇も、全てが綺麗だ。 乱れた姿を舐めいるように見ていたら理性なんて吹っ飛び気付けばパンパンと音が出るくらい激しく突き上げていた。 「はっ…綺麗だ…綺麗だっ…」 「ひあっ…あぁあっ…ンーーっ…」 両膝の裏を持ち腰を浮かせ激しく突き上げる。前立腺の場所は分かっているのでそこを目掛けて突くとビクビクと震えながら後ろを締め付け彼は必死に強い快楽に耐えていた。 シーツを掴み喉を仰け反らせる姿は美しい… もっと乱れさせたく、彼の自身を扱いた。 「ぁああっ!ダメっもっ…あぁあっ」 「っ…はっ…」 最後の追い込みとばかりに前立腺を集中的に突き上げ、自身を掴んだ手では鈴口を指の腹で刺激した。 「ひっ!イクっイク…っ、ぁあーーーっ!」 「くっ…ぁ…」 彼はビクビクと体を震わせながら白いものを腹と俺の手に出した。 俺は強い締めつけに耐えられず中に出してしまった。 ゴムはし忘れていたので達した余韻も虚しく冷や汗が背中を伝う。 「ご、めん…中に…」 大きく呼吸をする彼…表情は腕で隠していて見えない… やってしまったか…そう思い自身を抜こうとするが… 「嘘…離さないのそっちじゃん」 強く締め付けたまま離さないのは彼の方だった。 「っ……もっと…」 「え…?」 「もっと…シて…奥に出して……ください」 「っ……」 何かがプツンと切れる音がして、もう理性がどーのなんてどうでもよくなった。 涙目で言った彼の片足を掴み半回転させ、腰を高く持ち上げた。 背中も綺麗…ツーっと指でなぞると中を締め付けた。 俺はもう、乱れさせたいという一心で思い切り突き上げた。 「んぁあっ、きもち、いいっ…あぁあっ」 「っ…君が誘ったんだ…、覚悟しといて…っ」 「ああっ!イクっまたイっちゃ…!」 「っ…くっ…」 何回イったかなんて分からない。 最後に彼は気絶してまって、自分も立てない程疲れていたのでそのまま眠ってしまった。 翌朝起きると彼は居なくなっていて夢だったんじゃないかと思う。あんなに綺麗な子は初めてだ…夢でも可笑しくない。 だるい体を持ち上げベッドサイドの棚を見た。 「何だこれ…手紙…?」 そこには一枚の紙が置かれていて、多分それは彼が書いた物だろう。夢じゃなかった… しかしそれ以上に驚いた事は書かれている内容だった。 『また会いたいです』という一言と一緒に連絡先と彼の名前が書いてあった。 この子は…名前まで綺麗だ…… 綺麗なものは好きだったがそれを汚したいとは思った事はなかった。でも昨夜の気持ちは嘘じゃない。 自分の手で淫らにさせたいと思ったのは彼が初めてだ。 一目惚れから始まり夢中になるのはとても早い。 これを恋と呼べるのかは分からないが早く彼と話がしたくなってきた。 知りたい事も沢山あるし、教えたい事も沢山ある。 まずは連絡をして直ぐに名前を言おう。 これからどうなるかは分からないが、素敵な人に出会えて良かったと心から思う。 [戻る] |