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※煙草
※なんとなく事後の雰囲気。大学くらい。










吐き出される白い煙を目で追いながら、ふと思い出したので寝そべったまま口を開く。


「明日から煙草値上がりすんだってな〜」
「あー、そういやそうだった。これを機に禁煙すっかなあ」
「ん、やめんの?」
「さすがに高ぇよな〜ありゃ。山ちゃんだって好きじゃないっしょ?煙草の匂い」



だからまあ、ちょうどいいんじゃないですかね?と言いながら裕史は短くなった煙草を灰皿に押し付ける。



オレが煙草を好まないのは別にうまいと思わないモンに金出したくねえなってのと、走った後息切れする感じがあるのが嫌だからで、特に嫌煙家というわけじゃない。
まあ、あからさまに煙草の味のするキスには顔を顰めてしまうこともあるけど。



だけど。



(セックスの後に吸ってんの見るの、結構好きだったとかな…)



そんなん何か恥ずいし言わねえけど、少し残念に思う。
もしかしたらコレが見納めになんのかもなあ、なんて思いつつ見ていたら裕史と目が合う。

煙草吸ってすぐ後のキスは好きじゃねえの知ってるクセに、近付いてきた唇はお構いなしにオレのそれに重なった。





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あきゅろす。
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