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Prisoner
33
SIDE.一条




あの娘は、間違いなく叶だった


本当に生きてた
そして思い出した




狂咲姫が死んだあの夜

『神崎咲夜』の取り乱し様に、
僕は確かに『叶』の影を見ていたことに




確信

それと共に感じた、言い様のない不安




枢と違って会うことは滅多に無かったけれど
何故叶が僕の記憶を消したかくらいはわかる。

認めてくれていたからだ。
僕を、枢の“友人”だと

そして枢から隠れるため。

守ってるんだ…




誰より枢を愛し
枢が愛してる人……




二人は似ていて、
誰よりも分かり合っていたから




目の前で無茶をしている友人


きっと叶も無茶をしようとしていることは手にとる様にわかる…




「僕が玖蘭の始祖だから…」


初めて知る、真実


すべては遠い昔から決まっていたこと。







嗚呼

叶がいなくなったときだっけ?


―――何か別の方法はないのか探すのを、そしてすべてを諦めたのは…







「枢…神崎咲夜は叶なんだ」


何か変わるだろうか…?
似たもの同士の二人を再会させれば、


救われるだろうか?


「誰が」とは言わないけれど…


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