[通常モード] [URL送信]

Prisoner
第23夜




あなたを生かすのは私



変える運命





Priiiii.. Priiiiiiiiiii....
部屋で寝ていると電話が鳴った。

「はい?」




『どうだ? 
復讐に我が君の力を貸して欲しくば、学園でしっかり役に立って来い』
『もっとも、答えは決まっているだろう?? 』


声の主は…支葵家のオヤジ?
…ああ、壱縷か。




『……わかりました。学園に行きます』




そういえば…そんなこともあったっけ? 
ま、原作変えていくつもりだから、これからは少なからず変わっていくだろうけど…
もう覚えてないし。




『叶様、聞いていましたか?』
「うん、バッチリ。
今の、支葵家のオヤジでしょ?」
『オヤジ、って…。
それより学園の編入…よろしかったですか?』
「全然オッケー。
だけど学園で坂野叶≠ノは話しかけないでね」
『くす、わかりました』

 プツッ




壱縷からの連絡を終えた後、叶は咲夜に変装する。






向かったのは零のもと。




「優姫…あせらなくていいから
そのうち聞けるタイミングが来ると思う。な…?」


零の声が聞こえてきた。
この後零は月の寮の枢の部屋に行って――…。






「錐生くん、ちょっといいかな?」

月の寮に向かおうとした零を呼び止める。


「坂野、悪いが俺は…」
「いいからきて」


半ば無理矢理理事長のシャワールームに連れ込んだ。



「坂野ッ?!」
「理事長には私が使う、って言ってある。
今、ナイトクラスは皆月の寮にいるから血の臭いはわからない」
「何考えて…」




叶はかまわず零を睨んだ。




「最初の頃に貴方に言った頃があるわ。
何かあったら私のもとに来い、ってね。大切なものを無くす前に…。
でもそれ以上に彼女の血をこれ以上求め続けても意味がない」


叶は上着を脱ぎ始める。




「玖蘭の直系は吸血鬼の始祖の血が濃い…
その中でも私は異端で特別なの…」




零の瞳の色が血色に染まって行く…。


「な、に…」
「私は約束したの……。貴方たちを守ると――」

閑に。とは言えないけれど…




「もしかしたらこのままレベルE化が防げるかもしれない」


自らの首筋に爪を立てる、流れる血…


「どんなに否定しても身体は素直よ…。
はやくして? 早くしないと気づかれる」


零も限界のはずだ……




 ブツッリ

 ぐじゅ、るっ






「くす、私には手加減してくれてるの?」




ふと、原作を思い出す。
そして、零に残酷な言葉をなげかけた。




「零、忘れないで――…
あなたを生かしているのは私。枢じゃない」




そして――…


「忘れないで――…
この血が…誰に捧げられた物なのか……」



 


[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!