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Prisoner 第17夜 巻き込んでしまったことを、どうか許してほしい…… 波紋 「壱婁、お願いしたいことがあるんだけど…」 「いいですよ…貴女のお願いならば―――」 「元老院に潜入してほしいの…」 壱婁は首を傾げる 「何故…？」 「元老院の内情を細かく知りたいの…」 「……分かりました。 貴女がそれを望むのならば、明日にでも元老院に向かいますよ」 「よろしく」 叶は壱婁を陽の寮の自分の部屋にかくまっていた。 「特に、千里の家…『支葵』って苗字が出てきたら、注意深く情報を探ってくれないかな？」 「まかせてください」 壱婁は穏やかに微笑みを浮かべて紅茶を差し出した。 「ありがとう」 すると肩を竦めて苦笑した 「では明日から暫く叶様と離れますね…」 ……可愛いッッ なんて言ってる暇もないんだけど 「そうだね…。最近は壱縷とずっと一緒だったから、寂しい、かな……」 あなたを巻き込むことを、どうか許してほしい 許しを乞うのは、壱縷本人と、そして閑 「叶様は独りではありませんよ…」 「え…？」 「俺がいますから……。 何があっても、俺がいますから」 真っ直ぐ、叶に眼差しを向けた 「―――壱婁…、必ず終わらせよう？ 全部…、全部………」 もしかしたらこれは――戦争という名の復讐なのかもしれないね…… 巻き込んで、ごめんね… ［*前へ］［次へ#］ [戻る]  |