Prisoner 第11夜 ごめんなさい 私の“逃げ”が 総てを招いたの… あの日≠ニいう過去 むかーしむかし 玖蘭家には、二人の兄妹がいました。 一人は玖蘭の総てである…玖蘭家の跡取り―――枢 一人は生まれてはいけなかった異端児の哀れな娘――叶 妹の方は、異端という事もあり、元老院からその存在を秘密にするようにいわれていました。 だから深い深い地下で生活していました それでも現当主夫婦と兄は、妹が可愛くて仕方ありませんでした。 玖蘭家は、代々平和主義を築いていましたが ある日、 元老院の望む平和と玖蘭家の望む平和は違うという事が判明しました。 玖蘭家は元老院に干渉しないで、と申し出た。 だけど妹には分かっていた 元老院の本当の望みを… 言えなかった。知っていながら。 それが間違い 「生まれてしまって……可哀相……」 そこにいたのは狂い咲き姫 ―――緋桜閑 儚くも、檻で育ったお姫様は、元老院に利用された それでも閑は、自由≠選んぶ 悪魔は玖蘭の系譜から存在を抹消され 怒りに沸いた両親と兄は、彼を元老院引き渡してしまった ソレハダメ 悪魔になってしまう 悪魔になっちゃダメ 悪魔は止められないのに! 悪魔を恐れた妹は元老院に脅されるだけで十分だった 『 本 当 の こ と を 言 っ た ら 玖 蘭 枢 を 殺 す 』 絶望感 損失感 疎外感 罪悪感 ――――愛 そして妹は 犯した罪と総てを背負い …この世界から消息を断った 最後に悪魔の声を聞いて 『さぁ、一緒に世界を壊そうか―――…』 そして現在(いま)異端の吸血姫≠ヘここに舞い降りる 犯した罪の償いを、 それでもまだ、私は弱すぎたのかもしれない お兄様、今、何をしていますか? 今すぐ触れたくて 今すぐ声が聞きたくて それでも駄目だね だって貴方はもう大切な人を見つけたから だからこの思いは私の内に秘めておく… ねぇ元老院 私は貴方たちを許さない 家族を操り 両親を殺し 枢をも殺そうとした 貴方たちを許さない もうちょっとで駒は揃う 待ってなさい、元老院 本当の物語は―――まだ始まってはいないのよ…? [*前へ] [戻る] |