発展途上思考感覚。 4 目が覚めたら、オレの頭に腕が絡み付いていた。 始めは何事かと思ったが徐々に思い出してくる夢の内容にコイツはオレを闇から出してくれた奴か。と理解することができた。 ということは泣いたところも見られちまったんだよなぁ? オレも人だから泣くときは泣くけどよぉ… 人前で…しかも野郎の前で泣くとはなぁ… 闇を漂っていた間のことは不思議と全て覚えていた。 両頬に痛みを感じて意識が覚醒した。 闇から出られた、と思って瞼を開いたら元の闇のままで。 それでも頬に衝撃を与えたモノがまだ在るのかと思って周りを見渡した。 そんな事しても無駄だと気づき無性に悲しくなって泣いたりもしたが、闇の中でずっとオレの頭を抱いてくれていたヤツの体温が、…とても心地よかった。 闇のゲームに負け、存在を絶たれたオレに『存在してもいい』と言ってくれた事が嬉しくて (だが、そんなことは口が裂けても言わねえぇよ) ………柄じゃねえが心の中でありがとうと呟いた。 と、オレの頭をすげえ触りまくっていた野郎の手がオレの頭を両手で固定して顔を近付けてきた。 (おい、待て…!それ以上顔を近付けてくるんじゃな…、……!!!) 思わず、手が動いていた。 (………まだ名前聞いてなかったな) . ←→ |